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読書ノート

2013-10-03

p.174

世界には資本主義に親和的な農業と、そうではなく資本主義に敵対的な農業が並存しているのである。

(…)地域によって農業が異質である以上、農業政策は他の国・地域での成功を「最良の学ぶべき模範」であるとして導入するなどできるものではない。 農業とは、国際基準といったものに最もなじみ難い領域に属する産業である。

[原洋之介「歴史と地域社会に学ぶ農政への抜本転換を」『TPPと日本の論点』農文協編 p.174]


ISBN:9784540103025

p.171

オーストラリア(…)

農業資源の枯渇化に直面して政府も資源保全策に乗り出しているが、その中心は市場メカニズムを活用するタイプのものとなっている。 水資源においては、用水取引所を創設し、インターネットによる電子取引まで含めて、灌漑用水と水利権双方が取引されるようになっている。

[原洋之介「歴史と地域社会に学ぶ農政への抜本転換を」『TPPと日本の論点』農文協編 p.171]


ISBN:9784540103025

p.170#b

このようなレジームは、70年代はじめにアメリカの国家統治の基盤が、国家と労働者・農民との「ニューディール連合」から、ウォール街の金融資本家との「新自由主義」へと変質することで成立した。

[原洋之介「歴史と地域社会に学ぶ農政への抜本転換を」『TPPと日本の論点』農文協編 p.170]


ISBN:9784540103025

p.170#a

APECという枠組みの下で貿易自由化を進めるなら、それと補完的な関係にあるドル一極の国際通貨体制からの転換を進めなければならない。(…)為替レートが容易に変動してしまう仕組みが残る限り、貿易品の各国内での価格が短期的に揺れ動く

[原洋之介「歴史と地域社会に学ぶ農政への抜本転換を」『TPPと日本の論点』農文協編 p.170]

ISBN:9784540103025

p.169

元外務省副報道官の谷口智彦は、TPPはアメリカ、日本、シンガポール=ブルネイ、オーストラリア=ニュージーランド、そしてチリを頂点とするペンダゴン=五角形の軍事同盟と全く整合的であると語っている (「TPPと『同盟ダイヤモンド』―拡張中国への抑止力」『中央公論』2011年3月号)。

[原洋之介「歴史と地域社会に学ぶ農政への抜本転換を」『TPPと日本の論点』農文協編 p.169]


ISBN:9784540103025

p.168

農業は、特定の土地・自然を基盤とし、そこに歴史を築いてきた人びとの社会的な関係のなかで営まれる生産活動である。

[原洋之介「歴史と地域社会に学ぶ農政への抜本転換を」『TPPと日本の論点』農文協編 p.168]


ISBN:9784540103025

p.166#b

 日本の素晴らしさは、町と田舎が車の両輪のようになっていることである。都会が先導する経済発展が一方にある。しかしもう一方にはしっかりした地縁型の社会がある。 地縁型の社会は、人を育てる伝統をしっかり堅持している。そこでは日本の風土にあった良質な人たちが育てられている。こうした人たちが都会に送りだされ、また逆に、都会から新しい風が田舎に入り込んできている。これが日本の強みである。われわれが持っている宝である。

[高谷好一「TPPの先輩=プランテーション農業という犯罪に押し潰された東南アジア農村社会」『TPPと日本の論点』農文協編 p.166]


参考


ISBN:9784540103025

p.166#a

 ラオスの山地民は珠玉のような社会をつくっている。(…)日本もそれに劣らぬ立派な(…)安心の社会をつくってきた。(…)何百年も(…)村びとみんなの協力で堰を築き、水を引き、その水を分け合って稲をつくってきた。日本の社会が地縁的にしっかりした安心の社会をつくっているのは、この伝統のお陰である。

[高谷好一「TPPの先輩=プランテーション農業という犯罪に押し潰された東南アジア農村社会」『TPPと日本の論点』農文協編 p.166]


ISBN:9784540103025

p.163

豊かな熱帯林は完全に消滅させられ(…)ブラジル原産のゴムの単純林に(…)マレー人は排除(…)インド人が移住(…)経営者はイギリス人(…)生産量はデトロイトの自動車会社によって決められ(…)全ての仕組みを牛耳っていたのはロンドンの金融業界であった。

[高谷好一「TPPの先輩=プランテーション農業という犯罪に押し潰された東南アジア農村社会」『TPPと日本の論点』農文協編 p.163]


資料

「1914年に終わりを告げたこの時代は、人間の進歩の中でなんという異例のエピソードであったことか! ・・・ロンドンの住人は、ベッドで朝の紅茶をすすりながら、電話で全世界のさまざまな産物を注文することができた。同じように、彼は自分の富を、世界の天然資源や新事業の投資に好きなように振り向けることができたし、少しも心煩わせることなく、その果実や利益の分け前にあずかることができた。」(J.M.ケインズ『平和の経済的帰結』1919年)

柴山桂太「歴史は繰り返す?第二次グローバル化の未来」/2013年12月2日/京都・国際シンポジウム

ISBN:9784540103025

p.84

他国の浅はかさを笑っている場合ではない。わたしたち日本人も、喉元を過ぎると熱さを忘れてしまい、歴史から教訓を学ぶことが少ないような気がする。(…)時間がない。毎日膨大な情報が押し寄せてくる。済んだことにいちいちかかずらっていたら時代の波に乗り遅れてしまう。

(…)途方もない徒労だと憐れむ人がいるかもしれない。だが、歴史をきちんと検証しておかないと、とんでもない思い違いをしたまま、いつまでも致命的な判断ミスを繰り返すことになりはしまいか。

[関岡英之「拒否できない日本」p.84]


ISBN:9784166603763

p.82#b

 一九八九年八月『ビジネス・ウィーク』(…)有名な世論調査(…)ソビエトの軍事力を脅威と感じる(…)二二%に対し、日本の経済力を脅威と感じる(…)六八%

[関岡英之「拒否できない日本」p.82]

ISBN:9784166603763

p.82#a

一九九八年の十二月、日米の失業率が戦後初めて逆転。二〇〇二年五月、アメリカの格付け会社が日本国債の格付けをボツワナより下に引き下げ。

[関岡英之「拒否できない日本」p.82]

ISBN:9784166603763

p.79

日本はドイツと結託してアメリカに対抗することもできたはずだが、むしろ日本国内ではドイツを非難する声が一斉に沸き起こった。

[関岡英之「拒否できない日本」p.79]

ISBN:9784166603763