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2006-2-06

[]容疑者Xの献身 著:東野圭吾

直木賞受賞おめでとうございます。評判どおりの良作。『泣けるミステリー』というと、感動できるストーリーでもミステリーとしてはダメだったり、その逆だったり、最悪両方ともダメだったりということがよくあるんだけど、この作品は感動ミステリーが両立した稀有な代物。予想もしなかった方向から解き明かされた真相に感嘆する一方で、予断を許さぬ展開の末に彼が出した結論が涙を誘う。設定や序盤からはものすごい二時間サスペンス臭がするんだけど、そこから先のストーリーにそんな安っぽさは微塵もない。なるほど、これは確かに純愛だ。それにしても天才を天才としてキャラ立ちさせられる東野圭吾の筆力はやっぱり凄い。

今まで東野圭吾感動ものというイメージが私の中にはなかったんだけど、この方面でも良作が書けるのね。多才な人だ。秘密白夜行も早い内に読みたいなぁ。

 評価:★★★★

2005-10-31

[]ゲームの名は誘拐 (光文社文庫) 著:東野圭吾

ネタバレ食らうんじゃなかったorz だって父さん、映画化もされた有名な作品(しかも主演が藤木直人仲間由紀恵)だから全くの予備知識なしで読むなんて無理なわけで。

自分が企画したプロジェクトを中止にされた主人公は、中止にした専務の娘を誘拐することに。誘拐事件のあとの樹里の顛末と、その後で主人公が抱いた疑問を事前に知っていたんだけど、誘拐ものは基本的に好きだし(大誘拐は当たりだった)東野圭吾ということで期待してたんだけど……まさか誘拐の過程が全く楽しめないとは思わなんだ。犯人側からしか語られてなく、その上誘拐自体がゲーム感覚なので緊迫感などあるはずもなく。おまけに人物が揃いも揃って書き割りという酷い罠。まさに長編推理小説。終盤の急展開&真相こそがこの作品の面白いところであり、そこが楽しめなければアウトという典型的なミステリー。私はアウトorz 真相そのものは知らなかったんだけどね……反転部分のネタバレを知ってると一番重要な謎が速攻で分かっちゃって。分からないところももちろんあったんだけど、いかんせんそこが核だからね……残念。最後まで楽しめず、謎解きが終わった後の感想この役を山田奈緒子がやるのは無理があると思うよ、という時点で私終わってるorz

予備知識なしだったら、平均くらいには楽しめたんじゃないかな。ミステリーネタバレは本当に鬼門ですね。よく分かりました。映画はちょっと見てみたくなったけど。

 評価:★☆

2005-10-18

[]毒笑小説 (集英社文庫) 著:東野圭吾

うむぅ、つまらないってわけじゃないんだけど、いかんせん笑いのツボからことごとく外れている……。名探偵の掟での自虐・痛烈な皮肉が消え去ると、ただのブラックジョークになってしまった、ということかな。

孫と遊ぶために孫を誘拐しようとする金持ち老人の話『誘拐天国』を始めとする10篇の短篇集。すごーく星新一の匂いがする。星新一一年くらい前にいくつか読んだんだけど、毒を内包している感じが特に似ている。星新一SF=この作品、という感じ。誘拐天国誘拐連絡網なんて特にそんな感じ。10編どれもそれなりに良くできてますが、タイトルにある『笑』を期待していた身としてはちょっと肩すかし。うーん、イマイチ笑いのツボではなかったです。くすりとくるのがいくつかあったくらい。個人的に好きなのは、つぐないと本格推理グッズ鑑定ショー。前者はどこかおかしくて切ない雰囲気がこの中では際だっていますね。後者は、東野圭吾初読みが名探偵の掟である人間にとっては非常に楽しかったです。過去の作品を利用し、それをこねくり回すやり方は本来好きじゃないんだけど、これはギャグオチになっていて許容範囲名探偵の掟自体がパロコメディだったしね

個人的には、10編のどの短篇よりも巻末の対談が笑えました。東野圭吾京極夏彦ってそれはお笑いを語るメンツじゃないだろう。そのギャップが楽しい。京極のコメディは怖いもの見たさで見てみたい。

 評価:★★★