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2006-2-12

[]となり町戦争 著:三崎亜記

話題の作品を今更読了。世間にものすごい勢いで取り残されている気がします。……冗談はさておき。非常に上手い作品だと思います。現実味のまるでない戦争を、妙に批判的に、悲観的に取り扱ったりせず最後まで『実感のないもの』として一貫させた書き方も、それを俯瞰する主人公スタンスも、何から何まで巧み。これで新人だというから大した物です。……でも、気に入ったかと言われるとNO。非常に上手い人ではあるんだけど、その技術だけで一作書きました、というふうに感じた。要は魂がこもってない。そのせいで、結局読んだ後に何も残らない。個人的には荒削りでも「俺はこういうのが書きたいんだ!」という気概が感じられる作品の方が断然好み。

戦争という題材を新しい見解で書いた、という意味では意欲作ではあるけど、好きになれなかったです。世間で評価されるのも分かるし、実際実力はあると思うので、地雷ということは全くないんだけど。

 評価:★★☆

[]お留守バンシー (電撃文庫) 著:小河正岳 絵:戸部淑

第12回電撃大賞受賞作。大賞ということもあって、さすがに上手いですね。定番の展開を飽きさせることなく読ませる力あり。ただ、正直一風変わっているように造形されたキャラ達が、逆に作品全体のありがちさを強調しているという皮肉。面白いんだけど、大賞取れるほどかなぁ……と思ってたら後半キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! うはぁ、途中まで普通のほのぼのコメディだと思っていたのにその展開はなんだw 平坦なコンクリートの上を歩いていたら途中でいきなり落とし穴にはまったような驚き。でも嬉しい驚きですねこれは。このあたりの展開の突き抜けっぷりに比べるとラストのいい話オチは上手くまとめてはいるけど、ちっちゃく見えますね。そしてどうしてあのシーンに挿絵がないのかと小一時間(ry

最後まで読んで印象に残ったのがあのシーンというのは自分でもどうかと思うけど、良作良作。コンスタントに面白い作品を輩出してくれそうな作家ではあるので、次回作も期待。しかし、シリーズ化しそうだけど、このシーンを越えるインパクトが得られるかしら。

 評価:★★★☆

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