2005-04-12(Tue)

■ [企画][読][日本][書せ][書は][著む][著わ][村上春樹] 村上春樹、わたせせいぞう、わがふるさとは坂の下に海があるまち――『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ハートカクテル』をめぐる雑感 
- staff diary @ reikon - モトクラシ大調査 http://d.hatena.ne.jp/reikon/20050412
には村上春樹をめぐるなんだか素敵な秘話が。
わたしが本格的に村上春樹*1の作品を読むようになった直接のきっかけは予備校時代の体験で、d:id:yukatti:20040121#20040121f3に書いているとおり。
それで最初にじっくり読んだのが『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』?(新潮社、1985、単行本新装版ISBN:4103534109)*2の初版単行本。ピンク色の箱の分ですね。d:id:yukatti:20041129#1101702836に書いたおぼろげな記憶はやはり正しくて(この前実家でチェックした)、やっぱりちょうど18歳、予備校生の夏だった。汗をたらたら流しながらベッドに寝っ転がって夢中で読んだのを覚えている。当時は「ワンダーランド」が自分の心象風景に似ていることと、音楽の力のカタルシスにノックアウトされたんだった。最近はそれ以上に「ハードボイルド」の「私」のことばにひかれる。
その18,19だったちょうど同じ頃、わたせせいぞう?(http://www.apple-farm.co.jp/)の『ハートカクテル?』や『チョーク色のピープル』?などにもはまった。わたせせいぞう氏は神戸市生まれ門司育ちである。彼の描く海や坂のあるまちは、自分の中にある「美化したふるさと」の姿であり、理想のまちであった。その理想をわたしは今もどこか追い求めているのかもしれない。部屋の窓から遠く海が見えると落ち着ける。海がないまちだとどうしても落ち着けない。
村上春樹が彼の育った街として語るときの「神戸」はかろうじてわたしも子供時分に間に合っているので、彼が懐かしがっている風景はわたしのそれと共通しているところがあるなあと思える。それがなんだかうれしくもあり、悲しいような――こちらの勝手な思いこみだろうけど、ある種の痛みを共感している、という思い――気もしている。
村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』 ★★★★★
わたせせいぞう『ハートカクテル』シリーズ*3 ★★★★☆(人によっては甘さがあわないかもしれません) 『チョーク色のピープル』★★★★★
- 関連
- 北野勇作『クラゲの海に浮かぶ舟』ブックレビュー http://homepage1.nifty.com/CLUBHOUSE/kousetsu/review/books/bkj_kaki.html#KURAGENOUMINI 比較考察対象として村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(新潮文庫)を取り上げ、内容に言及しています。
*1:村上春樹…はてなダイアリーキーワード「村上春樹」も参照のこと。
*2:村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』…はてなダイアリーキーワード「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」も参照のこと。
2004-12-17(Fri)

■ [読][日本][書ち][著の] 野口武彦『忠臣蔵 ――赤穂事件・史実の肉声』 
- 野口武彦? 『忠臣蔵? ――赤穂事件・史実の肉声』(ちくま新書014、1994.11、ISBN:4480056149)
- Amazon.co.jpでは出品者より入手可→ISBN:4480056149。bk1では取り扱い不可→bk1『忠臣蔵』/bk1.jp『忠臣蔵』
- 野口武彦については 野口武彦著作データベース(K.T.さん(d:id:jindong)作成)が詳しい。
- 55字内容紹介…
テレビドラマ「忠臣蔵」の最終回を見た(松平健が内蔵助)。そこでまた野口武彦『忠臣蔵』(ちくま新書014、1994.11、ISBN:4480056149)を取り出して読んでいる。本書で著者は「忠臣蔵」を文学的・舞台芸術的に見る領域に踏み込むことはせず、丹念にクロス・チェックを重ねながら史料をたどっていくことで実際に起きた事件としての姿を復原させるこころみをおこない、成功させている。ページを開くと当時の江戸城の有様が、浅野内匠頭と吉良上野介の生きている人間としての姿が、また「義士」と家臣以外に彼ら二人を囲んでいた大勢の人々と当時の社会、経済、政治の姿が史料の平易な分析解説を通してたちあらわれ、まさに「事件のなまなましい灰色のリアリティ
」(本書 p.13)が見えてくるようである。それは義士の物語として昇華させたドラマとは違った形で劇的で、まさに実際「人間ドラマ」だったのだ。本書にはノンフィクションを読むような興奮が、深く分け入っていく静かな興奮があるだろう。
★★★★☆
※あとでもう少し書き足します
nobody気楽にいきましょう。年末ですしー♪
yukattiどうもです。年末はやはり忠臣蔵……の人間にわたしもなってしまいました。
apple-eaterいまさらですが地元です。いらっしゃいませ、赤穂へ。
yukatti赤穂には2回ほどいったことありますー。だいぶん前になっちゃいますけど。
2004-10-19(Tue)

■ [読][日本][書こ][著し] 士郎正宗『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』(1) 
- 士郎正宗? 『攻殻機動隊? THE GHOST IN THE SHELL』(1)(講談社ヤングマガジンKCDX-248、1991.10、ISBN:406313248X)
- bk1『攻殻機動隊』(1)/bk1.jp『攻殻機動隊』(1)
- 55字内容紹介…
映画版はDVDでしばらく前に観たものの、映像に圧倒されつつもストーリーはなんだかよくわからないまま終わったという感があって(それは他事をしながら観ていたせいも大きいが)不完全燃焼だった。なんだかすごい話っぽいのにな、……で、この夏、映画『イノセンス』公開があったのをしおに原作を購入、ここ数日で遅蒔きながら読んだので簡単に感想を記しておく。わたしは士郎正宗のあまり良い読者ではなく、というか気にはなっているけどなかなか機会が無いまま来ただけなのだが、じっくり読むのは10数年ぶりで『アップルシード』以来である。とはいえ本作の出版そのものは1991年(89~90年にヤングマガジン海賊版に連載されたものをベースとしている)だからアップルシードを読みふけっていた直後にあたるわけで、自分の中の士郎正宗作品の記憶とそのままシームレスに続いてギャップは全くなかった。
※続きはあとで書きます。
こう言ってはなんですが、yukattiさんのダイアリーの方が
興味あったりして…関係ないですね、ははは。
でも実はなんか、http://harukizuki.ring.hatena.ne.jp/ に「村上春樹好きリング」http://ring.hatena.ne.jp/yukatti/
が出てこないという変な状態になっているようで設定等が出来なくなっており、先ほどはてなに問い合わせメールを出したところなんです。状況が改善されれば何とかします(ダイアリーを春樹好きリングに登録するともしかしたら注目エントリーとか村上春樹の話題から離れて滅茶苦茶になるかもしれないんですけど、それでもいいのかなあと気になるんで、考えます)。
※リングのURLを間違えていたので再投稿。