2004-05-24(Mon)

■ [読][日本][書な][著や] 山田詠美対談集『内面のノンフィクション』 
- 山田詠美 対談集『内面のノンフィクション?』(文春文庫、2001.4、ISBN:4167558041)
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- 55字内容紹介…
山田詠美対談集『内面のノンフィクション』(文春文庫)(読書メモ)
ぼつぼつと読書中。1992年刊行本の文庫化であり、かなり以前(1987年から1992年)の対談を収録したものとなっている。が、彼女の思い出深い対談の中から文学を話題にしたものを選りすぐっているだけあって、全然古びていない。一本ぴしっと筋の通った大人または若者と、倫理的で文学について意気盛んな若者(山田詠美)の対談という感じ。また、巻末に収められているあとがきの数々、特に、山田詠美本人による「文庫版のためのあとがき」と、瀬戸内寂聴の暖かい文章「必親展」が、良いです。
対談相手は、野坂昭如(『山田詠美』について)、小島信夫(小説の中の『性』)、大島渚(『大人』のコミュニケーション)、井上ひさし(私の好きな本)、島田雅彦(『三島由紀夫』について)、谷川俊太郎(『仕事』について)、佐伯一麦(内面のノンフィクション)、吉田ルイ子(ソウルフル・ハーレム)、瀬戸内寂聴(『恋愛』について)。
山田 私、いつも思うんですけど、小説を書いていて大変なところって、品格があるかないかだと思うんですね。でも、それはお上品だということと全く違うと思う。
瀬戸内 違うのよ。
山田 その品格がある、というのは、例えば野生の動物ってとても美しい体をしているけど、そこには人間の思うような良識とかそういうものっていっさい含まれていなくて、そこに品格がある。だけど、人間のいろいろな思惑が混じるとお上品になってしまって全然品格がなくなるという、それと小説も一緒でしょう。
例えば子供ができるのがとても喜ばしいことで、その愛し合っている者同士が結ばれることがいやらしいこととは思えないんですけど、価値観が違うのかなあ。
(本書「何が恥ずかしいか」p.245より)
瀬戸内氏の「私は妊婦が歩いてたら恥ずかしいんだもの。目をそむける。
」(『何が恥ずかしいか』p.244)は実はわたしも同じく、そうなのだった。紙幅(というか引用の範疇)の都合で前後の文脈全てを引用できないのが残念。
※過去の読書メモから。5/15/2001(Tue.)
★★★☆/5