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読書ノート

2013-08-18

xyn920130818

pp.172-3

▼大衆人*1の議論の特徴

 藤井 議論を否定する風潮が強くなった背景には、国民の大衆化という問題があるんです。オルテガ*2の『大衆の反逆』には、大衆とは自己を閉塞した、極めて傲慢な存在として描かれています。この場合の大衆とは、前に述べたように庶民のことではありません。*3

 実は大学の研究で、自己閉塞性と傲慢性の二つの性格をもっている人間と、そうでない人間、つまり大衆人と非大衆人とを分ける心理テストをつくったんです。われわれがヴァルガリティ尺度と呼ぶ、人間の精神的俗悪性を計る尺度を使ったテストです。オルテガは大衆人の特徴をいっぱい書いている。それをわかりやすい文章に直して、同意しますかと聞いたわけです。

(…)

表 大衆性テスト(簡易版)

問1 以下の1〜11で、「自分に当てはまる」と思うものに○を付けてください。
1.自分を拘束するのは自分だけだと思う
2.自分の意見が誤っている事などない、と思う
3.私は、どんな時でも勝ち続けるのではないか、と何となく思う
4.自分個人の「好み」が社会に反映されるべきだと思う
5.どんなときも自分を信じて、他人の言葉などに耳を貸すべきではない、と思う
6.「ものの道理」には、あまり興味がない
7.物事の背景にあることには、あまり興味がない
8.世の中の問題は、技術ですべて解決できると思う
9.人は人、自分は自分、だと思う
10.自分のことを、自分以外のものに委ねることは一切許されないことだと思う
11.道徳や倫理などというものから自由に生きていたいと思う
問2 以下の12〜19で、「自分は、そう思う」と思うものに○を付けてください。
12.日本が将来なくなる可能性は、皆無ではない
13.伝統的な事柄に対して敬意・配慮をもっている
14.日々の日常生活は感謝すべき対象で満たされている
15.世の中は驚きに満ちていると感じる
16.我々には、伝統を受け継ぎ、改良を加え、伝承していく義務がある
17.自分自身への要求が多いほうだ
18.もしも奉仕すべき対象がなくなれば、生きている意味がなくなるのではないかと思う
19.自分は進んで義務や困難を負う方だ

最後に、「問1で○を付けた項目の数」と「問2で○を付けなかった項目の数」を足してください。

10以上の方 → 大衆人
10未満の方 → 非大衆人

※本テストは、「羽鳥剛史・小松佳弘・藤井聡:大衆性尺度の構成――“大衆の反逆”に基づく大衆の心的構造分析――,心理学研究,79(5),pp.423−431,2008.」で構成された心理テストを、簡便に回答しやすいように調整したものである。なお、上記個数は、約半数が大衆人、約半数が非大衆人となるように調整されている。


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藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 pp.172-3(傍線=傍点)


ISBN:9784166608713

*1:「ハイデガーの言う非本来的な人間、あるいはオルテガの言う大衆人、ニーチェの言う末人」(p.162)

*2:「スペインの哲学者ホセ・オルテガ」(p.25)

*3:「オルテガは大衆批判をしましたが、最もおぞましい大衆人の典型は専門家だと主張している」(p.138)

2012-09-18

p.255

| 08:45

グローバル化、あるいは世界市民のようなわけのわからないイデオロギーを忘れ去って、それぞれの国ごとの相違を自然に認める態度を取り戻せば、格差は解消する方向に動くであろうことを示唆(…)それだけで世界は相当安定するでしょうね。

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 p.255


ISBN:9784166608713

p.255

| 08:29

アメリカ社会(…)20年代の大恐慌直前には(…)20%もの富を上位1%の富裕層が持っていた。でも60年代、70年代は、(…)7%程度に(…)90年代前後から(…)徐々に上がり、今では(…)23%程度

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 p.255


ISBN:9784166608713

p.243

| 07:45

経済学者が公共投資を執拗に批判するのは、(…)背景にある国家という「観」の目*1不愉快だからなのではないか。

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 p.243


ISBN:9784166608713

p.241

| 07:42

 マクド経済学を勉強してそのまま学者になる奴と、(…)官僚になる奴と、大企業に入って幹部になる奴(…)三者が集まって会話をすると、マクド経済学の話(…)で盛り上がる(…)絆を確認し合うわけです。

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 p.241

ISBN:9784166608713

p.235

| 07:33

ボードリヤールの『消費社会の神話と構造』

(…)

生産性を上げて(…)つくった物を消費者が買うとは限らない(…)考え出したのが、消費者の性向の改変です。コマーシャルを盛んに流し(…)人々の効用係数を組み替え(…)つくった物を買う人間をつくるという方略

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 p.235

ISBN:9784166608713

p.233

| 07:25

IMFは司馬遷なのか

IMFの経済学(…)フォーマットがあって、国の名前さえ入れ替えれば、同じモデルがどこでも通用するんです。

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 p.233

ISBN:9784166608713

p.230

| 07:17

ばらまきとは目的や意図がなく金を支出することです。だとするなら、例えば減税や金融緩和こそがばらまきです。必要なところを決めてお金を出す財政政策(…)なのに、財政出動をした時にはばらまきは悪いと言われる。

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 p.230

ISBN:9784166608713

*1:「宮本武蔵『五輪書』」(p.232)

2012-09-14

p.211

| 18:31

官主導はおかしいと言われたので、官主導をやめるのを官主導でやろうと決意した

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 p.211

ISBN:9784166608713

pp.206-7

| 18:20

かつてのような地縁組織がどんどんなくなり、人々が田舎から都会に流入してきて浮き足立っている。そこへテレビが働きかけて、巨大な大衆の力を調達できるようになった。で、勝てると踏んだテレビと大衆が一斉にかつての強者をいじめにかかった

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 pp.206-7


ISBN:9784166608713

pp.208-9

| 18:17

 いじめっ子にとっていじめは楽しい。なぜかというと、何もないと退屈*1だからです。つまり、退屈な大衆が弱い者いじめをやって遊んでいる

(…)

小学校のいじめよりももっとおぞましい。多数派は法律をつくることはできるわ、制度を変えることができるわ

(…)

そこに外国の影響力が入って

(…)

究極の内弁慶が働く

(…)

つまり、外圧を活用していじめの構造を強化することができるんですね。

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 pp.208-9


ISBN:9784166608713

pp.200-1

| 15:54

日常生活においては、伝統的な風習*2のおかげで神様がいるような秩序を保てていた。(…)今や言論界は全くのニヒリズム(…)何の文化も風習もない

(…)

だから、権力欲がむき出しになる。

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 pp.200-1

ISBN:9784166608713

p.180

| 14:58

 政治を殺すやり方は、黙らせることなんです。言論を弾圧すると、政治は完全に行政化する。これを独裁というのです。

(…)

トクヴィルはこう表現している。堕落した民主主義の結果である多数者の専制において(…)少数派を黙らせるには、単に拒絶すればいい。

(…)

ヒトラーと同じやり方*3です。

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 p.180

ISBN:9784166608713

p.186

| 14:38

結局、彼に抵抗しないで野放しにしている自分の弱さをごまかしているんです。賢い人間ほど自己欺瞞の技術に長けていますからね。

(…)信頼しているのじゃないんですよ。あいつを利用してやれと、みんな小賢しく振る舞って、逆に支配されているのだと思います。

藤井聡・中野剛志 「日本破滅論」 p.186


ISBN:9784166608713

*1:p.20, p.155, p.188

*2:p.31

*3:p.175, p.70