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読書ノート

2018-12-24

pp.311-2

「ジニ係数」は(…)(OECD)加盟国平均でも上昇傾向にある。その不満は為政者に向けられるよりも、外国人やマイノリティーに対する排除へと向かうイデオロギーに支配される傾向にある。

[根本正一『民主主義とホロコースト――ワイマール/ナチ時代のホワイトカラー』pp.311-2]

  • p.262

ISBN:9784768458334

pp.309-18

「先兵となる(…)若者」→少数

「旗振り役の大人」→多数

「ネトウヨ」の中心世代は四十代以上の中高年層という。しかも知的職業に就く知識人層、教養人層が多いと言われる。(…)

 示威行動はどこかで暴力=暴動につながる。その先兵となるのは、しばしば若者である。その背後に旗振り役の大人が控え、政治がその構造をうまく利用する。それが如実に現れたのが、百年前のドイツのワイマール/ナチ期であった。(…)

 現代の人間は公式な場において素直に自己表現する機会を閉ざされている。(…)組織の論理に沿った発言を求められ、(…)そこでは抽象的な論理だけが飛び交い、(…)組織を利する交渉の応酬に終始することになる。(…)

 J・ハーバーマス流に言えば、(…)システムによる人間の生活世界の侵蝕である(『コミュニケイション的行為の理論』)。つまり、生活世界は相互了解を求めるコミュニケーションで成り立っているのに対して、現代社会ではコミュニケーションは目的を成し遂げるための手段しかなく(…)システムとしての論理が支配する。

[根本正一『民主主義とホロコースト――ワイマール/ナチ時代のホワイトカラー』pp.309-18]


ISBN:9784768458334

pp.295-6

資本主義経済の(…)矛盾を糊塗するのが、民主主義と自由主義は普遍の理念であり、その理念を採り入れることは世界全体の発展に繋がるという一つのイデオロギーである。(…)その正しい理念を世界に普及させ(…)その教化を通じて自国に有利な覇権を目指していた(…)

アメリカの歴史を形づくった理念としての民主主義、自由主義はアングロサクソンとしてのものであり、原住民(…)黒人(…)ヒスパニックやアジア人も含めた少数民族に対する(…)「隔離すれば差別も生まれない」という論調が大手を振って唱えられる

[根本正一『民主主義とホロコースト――ワイマール/ナチ時代のホワイトカラー』pp.295-6]

  • twitter:954845768120070144:tree

ISBN:9784768458334

2018-12-23

pp.268-72

「他人指向型」*1人間は、現代産業社会の巨大組織の求める理想像であり、(…)「二つの生き方がぶつかりあうために、かれの中に緊張状態がうみ出される(48)

(…)マークルがナチ党員の反ユダヤ主義への意識調査*2で示した、ホワイトカラー層(特に中年以上*3に顕著にみられる偏執症(パラノイア)(…)は現代の組織人が基本的に抱え込んでいるパーソナリティーと言え(…)

日常生活や仕事の遂行にまで支障をきたすと妄想性パーソナリティー障害*4となるが、(…)

現代のイデオロギーに対する要請はこれを助長している。

[根本正一『民主主義とホロコースト――ワイマール/ナチ時代のホワイトカラー』pp.268-72]


ISBN:9784768458334

*1:D・リースマン

*2:pp.47-50

*3:「第一次大戦から共和国革命を青年時代に経験した中年層」(p.49)

*4:「何の変哲のないことでも他人から攻撃されているという不信感を抱き、一方でそれを受け入れたくないがために自らを特別な人間と思い込む過剰な自信に支えられている。(…)他人に理解されていないと感じたときに(…)衝動的に攻撃的になる(…)背景には相手に対する恐れが基本にある」

2018-12-22

pp.245-6

 収容所は古参の親衛隊員と行財政に習熟した官僚で構成されていたが、サディズムと汚職の蔓延が問題になっていたという。(…)多くの拷問や、生きた人間に対する医学的実験が行われた。(…)しかし、そうしたサディズムは大目に見られる一方で、(…)親衛隊にとって許されないのは汚職の方であって、執拗に取り調べが行われたという一般の倫理観とは逆転した発想に彩られ(…)

兵士であれ、官吏であれ、自らの成果を誇示しようと必要以上に業務を履行し、書面上での成果の水増し工作も頻繁に行われた。

[根本正一『民主主義とホロコースト――ワイマール/ナチ時代のホワイトカラー』pp.245-6]


ISBN:9784768458334

p.232

分類し、推理し、演繹する能力としての「主観的理性」自明のものと考えられている目的に対する手続きが妥当であるか否かに関心をもつが、目的自体が合理的であるか否かはほとんど問題にしない(14)

[根本正一『民主主義とホロコースト――ワイマール/ナチ時代のホワイトカラー』p.232]

ISBN:9784768458334

pp.227-8

 バーナードによると、(…)それぞれの組織は(…)相互に組織存立の制約要因となっている。現代においてはその頂点が国家であり、現代は国家を頂点としてクモの巣状に組織の網が張り巡らされた大規模複合組織と捉えることができる。

[根本正一『民主主義とホロコースト――ワイマール/ナチ時代のホワイトカラー』pp.227-8]


ISBN:9784768458334

pp.220-1

 ホロコーストの歴史においては、ヒトラーなどナチ幹部がどの時点で全ユダヤ人の殺戮を決断したか、そしてその命令がどのように伝達され、具体的な殺戮へとつながったかが長く議論の的となった。(…)

歴史学者は検証を重ねてきたが、(…)

 まず、「ヒトラーの命令は文書になって残っていないという事実がある。(…)

「ヴァンゼー会議」(…)の主宰者はハイドリヒであり、ヒトラー自身は出席していない(議事録は事後に大幅修正されたとされ、その中の「最終的解決」という言葉の意味も明らかにされていない)

[根本正一『民主主義とホロコースト――ワイマール/ナチ時代のホワイトカラー』pp.220-1]


ISBN:9784768458334