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読書ノート

2014-01-24

p.88#b

ある対象に対して忠言・忠告・評価等をする者は、少なくとも当該事象に対する関心・愛情・思いやりの精神がなければならぬ。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.88]


ISBN:9784344983335

p.88#a

本来、而立(じりつ)(三十歳)の頃から〝無関心〟であった人物が、近年になって急に「天皇制度」を語り出し、皇太子殿下に「御忠言」と称して、〝非難〟を重ねているのである。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.88]


ISBN:9784344983335

p.87

座談会で、(…)西尾氏は「天皇制」について、次のように述べている。

(…)

 事実もう天皇制はなくなっているんじゃないかと、私はそう思うことがしばしばあります。(…)

われわれは明治という変革によって、みんなズタズタにやられちゃっているんだから、ここでいっぺん〝空無〟になって(…)徹底的なニヒリズムの中に一度立つべき(…)そうなってくると、たとえば天皇制も廃止してしまえばいいという考え方も出てきます。

(『論争ジャーナル』 (昭和四十二年十二月号))

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.87(傍線=傍点)]


ISBN:9784344983335

pp.82-5

 それにしても西尾論文の四回にわたる『WiLL』連載の内容は不可解である。

 第一回(平成二十年五月号)は(…)皇太子殿下に対しては、ただ「謙虚な伝統の番人」でさえあればよい、(…)妃殿下に対しても、皇室にとっては異質な「能力主義」を宮廷に持ちこんだ張本人と決めつけ(…)御体調に対する一片の惻隠(そくいん)(…)の情もなく、かえって苦悩の現状を自分がいち早く預言(『正論』平成十六年八月号)し、それが適中したことを、〝喜ぶ気はない〟と断りながらも、秘かに誇っている(…)

ついには妃殿下を「天皇制度の内部に入ってそれを内部から少しづつ崩しているいわば獅子身中の虫」(四二頁)と指弾(…)

「(…)紀子妃殿下には不適応病理はまったく生じていない」などと、比較にならない立場の御二方を故意に対比し(…)他人(松崎敏彌氏)の評言を借用して、巧みに自らの本心をにじませている(…)

第二回(六月号)は、(…)

延々十六ページにわたって(…)西尾学説の羅列・展示(…)

 皇太子・同妃殿下を名指しして「傲慢の罪」

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.82-5]

ISBN:9784344983335

p.78

皇室に慇懃(いんぎん)な言葉を使い、巧みな論法を操るので、一般には(…)忠諫(ちゅうかん)の士と見られているが、実は(…)非情な「無関心」派にすぎない(…)

 かような戀闕(れんけつ)の心(…)のない知識人の〝無関心〟が、やがて〝革命論〟に通底し、(…)国体を「廃棄」するに至るのだ。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.78]


ISBN:9784344983335

p.71

皇室は、伝統尊重とともに、文化的には常に国民の一歩先を歩まれてきた。この伝統と革新の調和が、皇室の永続・繁栄の秘訣の一つであり、大化改新・建武中興・明治維新、すべてそれを実証*1する

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.71]


ISBN:9784344983335

p.67

第2代綏靖(すいぜい)天皇以降、今上天皇まで嫡子は62代(内、重祚2代を加えれば64代)、庶子は60代

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.67]

ISBN:9784344983335

p.61

 わが国では天照大神の天壌無窮の神勅が歴史を動かし、歴史が神勅を実証するのである。この事実こそが、欧米の「神話学的(または神学的)」発想と大いに異なり、日本神道の特色なのだ。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.61]


ISBN:9784344983335

p.59

同氏*2は、もともと早稲田大学政治経済学部の出身で、皇大では近代日本の政教関係の研究が中心

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.59]

ISBN:9784344983335

*1:p.61

*2:「新田均氏」

2014-01-23

p.43

 かつて寛政の三博士の一人、柴野(しばの)栗山(りつざん)は、神武天皇の御陵(ごりょう)に参拝し、「百代の本枝、(かず)億ならず」と詩に詠んでいるが、確かに神武天皇以降の子孫の数は、ただに一億ぐらいでは済まない。日本の〝君民一体〟の歴史は、精神的な〝情義(じょうぎ)〟(人情と義理)の結びつきだけでなく、〝血縁〟にまで及ぶのであって、この点を、この機会に強調しておきたい。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.43]


ISBN:9784344983335

p.38

 子供は父母から生まれるのであって、男系とか女系の差別より、父母で一家をなすというのが日本古来(…)

 この点が、ヨーロッパの王朝等とはまったく違う。それは、日本の皇室にはもともと「氏」がないからである。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.38]


ISBN:9784344983335

p.36

彼らの本心は、愛子内親王が女帝となることにも、実は反対なのである。(…)傍系のお方を迎え(…)内親王はその皇后になられたらよい、と勝手な構想をえがく者さえもいる。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.36(傍線=傍点)]


ISBN:9784344983335

p.35

論者の中には、ある会合で(…)〝天皇陛下の御意向を承る必要があるのでは(…)〟と質問が出たところ、「それは必要ない。(…)女帝でも差し支えない、と申されたらどうするのか!」と切りかえした、という話を私は仄聞(そくぶん)している。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.35]


ISBN:9784344983335

p.34

国民全体を代表する基準で、各分野の重鎮を選考した人事である(…)それらの左右の有識者が、自らの立場をこえて、満場一致でまとめた「報告書」にこそ、重要な意義があるのではないか。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.34]

資料


ISBN:9784344983335

p.32

戦後六十八年、なぜ、もっと早くこの旧皇族の復帰の主張や運動をしてこなかったのか、私には、むしろその姿勢こそが疑われる。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.32]

ISBN:9784344983335

pp.30-1

政府の態度が〝拙速〟であるとか、(…)小泉首相の(おご)りと悪口するが、これは時系列を無視した、非難のための言いがかりである。政府の準備は、少なくとも(…)平成九年頃から始まり*1、(…)宮内庁書陵部(しょりょうぶ)の協力によって、すでに詳細な「参考資料」も作成され、(…)また「有識者会議」の設置決議は平成十六年の十二月二十七日である

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」pp.30-1(傍線=傍点)]

ISBN:9784344983335

pp.26-7

このような神勅の形での公言を、この時代に堂々となし得たということ(…)史実がなければ、この言挙げはとうていなし得なかったであろう。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」pp.26-7(傍線=傍点)]


ISBN:9784344983335

p.25

看過してならないのは、皇国美化史観的な「万世一系」論が、(…)レフト陣営の天皇制批判を目覚めさせ、奥平康弘氏の『「萬世一系」の研究』(…)等が、にわかに日の目を見るようになってきたことである。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.25]

ISBN:9784344983335

*1:(毎日新聞の報道)