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読書ノート

2018-05-21

pp.106-11

追放刑などで村や人別帳から外れた者たちが徒党を組み、表社会の外に一家組織を形成した。(…)

敗戦直後の混乱期には弱体化していた警察の代役を務め、(…)保守系の党人政治家たちのお抱え暴力装置となり、体制の一部に組み込まれた。

 だが、(…)治安維持も警察や自衛隊で完結できるようになり、自民党の党人派が官僚派の政治家に敗北するにつれ、その存在根拠は次第に薄まっていった。(…)

伝統的な利権は警察の天下り機関に奪われ、建設業などへの介入はこの市場に参入を狙う米国から「非関税障壁」の一部と見なされた。ヤクザ排除は米国政府からの要求でもあり、それを大きな要因として暴対法が登場してきたのである。

(…)「以前はヤクザが地元下請け業者の意を酌んでゼネコンに対してにらみを利かせていたが、それもなくなって、最近はゼネコンのやりたい放題が目立つ」(…)大企業には「警察の指導」で警察官OBが暴力団対策の専門家として再就職し、各都道府県には「暴力追放運動推進センター」や「社会復帰対策協議会」といった官製団体ができた。

[田原牧『人間の居場所』pp.106-11]


ISBN:9784087208917