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読書ノート

2018-01-15

pp.240-4

ポツダム宣言には、占領の目的が達成されたら「占領軍はただちに撤退する」と明確に書かれている(…)大西洋憲章以来の「領土不拡大」という大原則にもとづく条項なので、マッカーサーといえども、それを根拠なく撤回することはできません。

 一方、アメリカの軍部は、日本に基地を置き続ける保証がない限り、平和条約を結んで日本を独立させることには絶対に賛成しない。

(…)ダレスがすばやく考えだし、マッカーサーに教えた基本方針が、(…)「国連憲章の43条と106条を使ってクリアする」(「6・30メモ」)

 というもの(…)

 国連憲章43条というのは、結局は実現しなかった「正規の国連軍」についての、もっとも重要な条文です。(…)

 一方、106条というのは、そうした国連軍が実際にできるまでのあいだ、安保理の常任理事国である五大国は、必要な軍事行動を国連に代わって行っていいという「暫定(ざんてい)条項」です。(…)

 つまり、「国連加盟国は、国連軍に基地を提供する義務を持つ」という43条を、106条という暫定条項を使って読みかえることで、日本は国連軍ができるまでのあいだ、「国連の代表国としてのアメリカ」に対して基地を提供することができるというのです。

(…)国連憲章43条が加盟国に(…)基地などの便益(ファシリティーズ)だけではなく、兵力(アームド・フォーシズ)援助(アシスタンス)の提供も同じく義務づけているので、最終的にアメリカは日本に対して、あらゆる軍事的な支援や兵力を提供させて、それを米軍の指揮のもとに使う法的権利を持っているということになります。

[矢部宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』pp.240-4]

ISBN:9784062884396