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読書ノート

2018-01-15

pp.196-209

「戦時に米軍司令官が日本軍を指揮する権利」というのは、(…)旧安保条約の草案にすでに条文として書かれていたもので、その後もずっと交渉のなかで要求し続けていたものでした。

 しかし、日本国民の目にみえるかたちで正式に条文化することはついにできず、結局独立後に(…)密約を結ぶことになったのです。

(…)

 旧安保条約と同じく「吉田・アチソン交換公文」もまた、事前には日本国民にいっさいその内容が知らされない「事実上の密約」として結ばれた(…)

占領を終えるにあたって、米軍の駐留継続(旧安保条約)や、米軍への軍事支援の継続(吉田・アチソン交換公文)を交換条件とすることは、ポツダム宣言にも国連憲章にも違反する(…)日本が、あくまで自由な意志に従ってそれらの取り決めを結ぶというフィクションが、アメリカ側の交渉責任者であるダレスによって作られ(…)

 その後の日米交渉のなかで、この取り決めはさらに改悪され、「朝鮮」という地域的な限定も、「国連」という国際法上の限定も、ほとんどなくなってしまいました。

 その結果、現在に至るまで日本は、米軍への戦争協力を条約で義務づけられた世界で唯一の国となっているのです。

(…)

 米軍自身が書いた旧安保条約の「原案」(一九五〇年一〇月二七日案)(…)

の「第14条 日本軍(ジャパニーズ・アームド・フォーシズ)」という箇所(…)には一九五二年から、二〇一五年の安保関連法の成立にまで至る、六三年間の日米の軍事的関係の歴史が、すべて予言されているのです。

(1)「この協定〔=旧安保条約〕が有効なあいだは、日本政府は陸軍・海軍・空軍は創設しない。ただしそれらの軍隊の兵力や種類、編成、装備など、あらゆる点についてアメリカ政府の助言と同意があり、またその創設計画がアメリカ政府の決定に従う場合はその例外とする

(2)「戦争の脅威が生じたと米軍司令部が判断したときは、すべての日本の軍隊は、アメリカ政府によって任命された最高司令官の指揮のもとに置かれる

(3)「日本軍が創設された場合、日本国外で戦闘行動を行うことはできない。ただし前節の〔アメリカ政府が任命した〕最高司令官の指揮による場合はその例外とする

(以上、同14条の第3節から第5節の要約。(…)http://history.state.gov/historicaldocuments/frus.1950v06/pg_134100

[矢部宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』pp.196-209]

ISBN:9784062884396