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読書ノート

2018-01-14

pp.135-50

同じ島(沖縄本島)のなかで、人権が守られている人間(米軍関係者)と、守られていない人間(日本人)がいる。

 また、同じ地域(東日本)のなかで、人権が守られている人間(東京都民)と、守られていない人間(福島県民)がいる。

(…)現在の日本には、国民の人権を「合法的」に侵害する不可解な法的取り決め(「適用除外条項」他)が、さまざまな分野に存在している(…)

 人権を侵害する適用除外条項など、絶対に認めてはならないはずの日本国憲法が、なぜ機能していないのか。

(…)一九五九年の「砂川裁判・最高裁判決」。

 憲法の機能停止という問題については、この出来事を徹底的に検証しなければならないことだけは、よくわかっていたのです。

(…)公電*1を詳しく読むと、砂川裁判において彼(マッカーサー駐日大使)が設定していたゴールが、

(…)

安保条約は日本国憲法の上位にある
 ことを判決として確定する
ところにあったことがわかります。

(…)

「安保条約のような重大で高度な政治性を持つ問題については、最高裁は憲法判断をしなくていい」

(…)

 この判決により、「安保条約は日本国憲法の上位にある」ことが、最高裁の判例として、事実上、確定してしまったわけです。

(…)

 このとんでもない判例によって、その後私たち日本人は、(…)さまざまな政府の違法行為や、国民への人権侵害について、法的に抵抗する手段を失って(…)

 結果として(…)米軍とその関係者だけでなく、エリート官僚を含む日本の支配者層もまた、法的なコントロールの枠外へ出てしまうことになりました。

[矢部宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』pp.135-50]

ISBN:9784062884396

*1:「在日アメリカ大使館発 11月5日 国務長官宛 極秘公電」(p.144)