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読書ノート

2018-01-13

pp.122-5

米軍と日本の官僚の代表が日米合同委員会で協議し、そこで決定された方針が法務省経由で検察庁に伝えられる。報告を受けた検察庁は、自らが軽めの求刑をすると同時に、裁判所に対しても軽めの判決をするように働きかける。裁判所はその働きかけどおりに、ありえないほど軽い判決を出すという流れです。

 ジラード事件のケースでいうと、遊び半分で日本人女性を射殺するという悪質性にもかかわらず、検察は(…)障害致死で起訴し、「懲役五年」という異常に軽い求刑をしました。

 それを受けて前橋地方裁判所は、「懲役三年、執行猶予四年」という、さらに異常に軽い判決を出す。そして検察が控訴せず、そのまま「執行猶予」が確定。判決の二週間後には、ジラードはアメリカへの帰国が認められました。(…)

長く「戦後政治史における最大の汚点」と目されてきた指揮権の発動。それが米兵犯罪については日々つねに「発動」されている(…)

日米合同委員会の決定が司法の判断を日常的に、しかもダイレクトに左右するという、戦後の日本社会の大きな歪みがつくられていくことになったのです。

[矢部宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』pp.122-5]

ISBN:9784062884396