Hatena::Groupbook

読書ノート

2018-01-11

pp.70-80

特定の場所を基地として提供する取り決めではなく、どこにでも米軍を「配備」できることになっている。これを「全土基地方式(ぜんどきちほうしき)」といいます。

(…)旧安保条約・第1条を根拠として、米軍が日本の国土のなかで、日本の憲法も国内法も無視して、

「自由にどこにでも基地を置き」

「自由に軍事行動をおこなう」

 ことを可能にする法的なしくみが、(…)

「旧安保条約」⇒「行政協定」⇒「日米合同委員会」

 という三重構造をもつ、「安保法体系」(…)

重要なポイントは、(…)米軍を「配備する」ことを許された場所が、

「日本国内およびその周辺(in and about Japan)」だったということです。

(…)米軍が「日本の国境を越えて自由に軍事行動できる権利」という意味(…)

憲法9条のもとで私たち日本人は、世界一戦争をよくする米軍に対して、
「国内に自由に基地を置く権利」
「そこから飛びたって、自由に国境を越えて他国を攻撃する権利」
を両方与えてしまっている
のです(…)

「在日米軍」などという言葉や概念は、安保条約や地位協定のなかには、いっさい存在しないのです。(…)

日本がこれまで安保条約や地位協定によって巨大な特権を与え続けてきたのは、

「日本の基地に駐留している米軍」

だけではなく、

「一時的に日本の基地基地に立ち寄った米軍」や、

「たんに日本の領空や領海」

など、すべての米軍に対してだった、ということ(…)

それが日本の領土や領空内に「存在」している限り、安保条約や地位協定によって大きな特権があたえられるということです。

(…)

 一九六三年、彼(小田実)は「国境感覚マヒ」というテーマのエッセイを書いています。

 朝鮮戦争以来、在日米軍の兵士にとって日本と韓国のあいだに国境などはなく、(…)日本が基地で、韓国が前線であることでしかない。それは軍人だけでなく、アメリカの政府関係者すべてがそうなのだと。

(…)エッセイに出てくる韓国と台湾(中華民国)だけは、やはりアメリカとの間で「米軍を国内およびその周辺に配備する権利」を与えるという条約を結んでいたのです。

[矢部宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』pp.70-80]

ISBN:9784062884396