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読書ノート

2017-09-26

pp.73-4

自然とは何かということさえ知性をとおしてとらえ、理念化し、自然保護というイデオロギーをつくりだすことによってしか、自然とつきあうこともできない。人間にとっては自然もまた(…)知性によってとらえられた他者である。だから自然という他者との関係をも、変えようとするイデオロギーの支えが必要になる。

(…)理念やイデオロギーの助けを借りながら、理念を実現する変革をとおしてしか自然の問題を語れない私たちは、自然の一員ではないという気持ちは残るのである。(…)それは人間の自由が、自然のように生命の発現とともにあるものではなくて、理念化された自由だからであろう。

[内山節『自由論——自然と人間のゆらぎの中で』pp.73-4]


ISBN:9784000286787