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読書ノート

2017-06-29

pp.131-2

監獄は、法をおかした「ならずもの」たちを集め、かれらを相互に接触させる。これによって被拘禁者たちは互いの結びつきをつよめ、組織化されるだろう。はじめて監獄にきた若い法律違反者は非行のベテランたちにさまざまな「教育」をほどこされ、入所してきたときにはまだ保っていた社会性を失っていく。被拘禁者たちは閉鎖された環境のもとで相互の関係をふかめながら、それに反比例して社会とのきずなを弱め、社会から孤立化していくのである。

 と同時に、監獄はかれらに密告を奨励し、かれらの関係を腐敗させる。(…)そこに権力が入りこみやすいようにそうするのであり、これによって「自閉的な、だが容易に管理される非行的な媒体の組織化を急速に進める」のである。

[萱野稔人『カネと暴力の系譜学』pp.131-2]


ISBN:9784309415321