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読書ノート

2017-05-13

pp.076-7

「辞を伝えて事を説く」場合に用いられた邪馬台国の礼法*1は、『旧唐書(くとうじょ)』倭国伝が、推古朝の冠位十二階のことにつづけて()訴訟(そしょう)する者は、匍匐(ほふく)して(すす)む」と記すように、統治の場における礼法として整えられていく。しかし、(…)「会同」の場における「大人」に対する作法*2は、これとは全く性格と歴史的背景が異なる。それが、倭人伝においてこのように二ヵ所*3に分けて礼法が記される理由であろう。(…)「会同」は、新たな統治体制のもとでの身分序列とは異質の、身分の区別の厳密な表示を必要としない、旧来の共同体的性格を濃厚に残す集会だったと推定されるのである。

[義江明子『つくられた卑弥呼─<女>の創出と国家』pp.076-7]

ISBN:9784480062284

*1:「「下戸」は「大人」に対しては後ずさりして道ばたによけ、ものを申し上げる時には、うずくまり地面に両手をつかなければならない」(p.075)

*2:「「搏手」をし、それで「跪拝」の代わりとする」(p.073)

*3:「習俗・自然・慣習法」の部と「統治体制」の部

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