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読書ノート

2017-02-22

pp.155-6

古代ギリシアがもっとも競争好きな社会のひとつであったことは、あきらかに意味がある。体操競技から哲学から悲劇に至るまで、ほとんど何でも公共的な競技にして、一人残らずそれに参加させようとする社会だった。だから政治的な意志決定さえも公共的競技にしてしまったのは、さほど驚くべきことではない。だがここでより重要なことは、これらの決定が武装した大衆によってなされていたということである。(…)ギリシアの傭兵の一隊が、指導者を失い*1、ペルシアのど真ん中で退路を失う。彼らは改めて将校団を選抜し、次に何をすべきか決定するために票決する。(…)票数が六〇対四〇だったとしても、誰もがみな、力の拮抗状態とそれらが衝突するとどうなるか了解している。それぞれの票は極めて現実的な征服なのである。

[デヴィッド・グレーバー『アナーキスト人類学のための断章』高祖岩三郎訳 pp.155-6]


ISBN:9784753102518

*1:p.8