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読書ノート

2017-02-22

pp.150-4

 多数決制民主主義は、その起源において、本質的に軍事制度であった。

(…)

 学者たちが、スラウェジ(Sulawazi)あるいはタレンシ(Tallensi)村の評議会を「民主主義的」と見ることに抵抗がある真の理由は――単純な人種差別、(…)ペリクレスと同じ次元の存在だと認知することへの抵抗の他に――彼らが「票決しない」ということである。(…)世界中で、オーストラリアからシベリアまで、(…)平等主義的な共同体は、むしろ「合意形成過程」のいくつかの変形を好んできた。(…)

皆が平等に向かい合うような共同体においては、ほとんどの成員が何をしたいか理解することのほうが、それに同意しない人びとを説得する方法を考えるよりもはるかに簡単だからである。「意志合意決定」は、大多数が少数をその決定に従属させることがない社会に特殊なものなのである。(…)無理に従わせることがないならば、(結局は誰かが敗者とみなされる公共的競技としての)票決の必要はないのだ。

票決とは最終的に、屈辱、怨恨、憎しみを生み、共同体の内的崩壊を確実にする方法である。

合意を獲得するための手が込んだ困難な過程と見えるものは、実際には、誰も自分たちの考え方が無視されたと感じて出ていってしまうことがないように(はか)長期の過程なのである。

[デヴィッド・グレーバー『アナーキスト人類学のための断章』高祖岩三郎訳 pp.150-4]

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ISBN:9784753102518