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読書ノート

2017-02-21

pp.79-80

 テレビドラマが視聴者を過去に運ぶことはありえるが、それは過去からの連続性を担保するものというより、時間を断片化するものである。気分転換と記憶は同じものではない。(…)メディアにおいては、ある事件が別の事件を追い払う。そこにおいては、時間は際限なく細切れにされていく。(…)時間の断片化であって、記憶を作り出していくような整理統合とは言いにくい。(…)広告の宣伝が広告の宣伝たりえるのは、かつて必要不可欠だったものを時代遅れにすることによってである。ここにおいて広告とニュースは近づく。どちらも一過性の最新のものに価値を置くからである。

[フェルナン・デュモン『記憶の未来 伝統の解体と再生』伊達聖伸訳 pp.79-80]


ISBN:9784560092323