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読書ノート

2016-12-21

p.88

仁斎における学の課題はまず何より、「今、此」「人倫日用」を問うことであったが、それは「古」に拠ることなしには(つまり拡散する知*1や自閉する「内省」*2では)、決して問いきれないということであり、また逆に、「今、此」を切要に問うものでなければ、「古」もまた見失われてしまうということでもある。

(…)「今、ここ」――「古」両者の互いに行き交う緊張*3とダイナミズム(…)そこに見られる循環は、決して閉じられたものではなく、互いに行き交うことによって、やがては「帰宿」すべきところに「帰宿」するものと考えられていたということができるだろう。

[竹内整一『「おのずから」と「みずから」——日本思想の基層〈増補版〉』p.88]


ISBN:9784393312995

*1:p.82

*2:p.87

*3:「具体的現実を担う「我」(…)「我」と緊張すべき「真如」」(p.21)