Hatena::Groupbook

読書ノート

2016-10-14

p.49

問題は、そうした「みずから」の主体的・能動的な、とりわけ作為的といわれる営みがややもすれば、「おのずから」に背反するかたちになりやすいというところにある。「おのずから」と同様、本来副詞である「みずから」が「自」を名詞化・実体化し、その切り離された存在や働きだけを頼むことにおいてそれは起こる。

(…)それはとりわけ、実体化された自己同一「近代自己」と捉え、その自立を求める傾向のある近代において、いっそう深刻なかたちで露呈してきている。

[竹内整一『「おのずから」と「みずから」——日本思想の基層〈増補版〉』p.49]


ISBN:9784393312995