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読書ノート

2016-02-19

p.28

 関係性の重視、そしてさういふ姿勢への共感は、感情の鍛練を経てゐる者にはごく自然に起るところのものであり、実際、鍛へられた感情は、我々と森羅万象との間に関係を生ぜしめる原動力の役割を果す。そして関係性の創出を第一の働きとする鍛へられた感情は、思想との間にダイナミックな関係をも生起せしめるのである。「ダイナミックな関係」と言ふのは、鍛へられた感情と、それと矛盾しない思想との関係だからである。これとは対照的に、鍛へられた感情と絶縁した思想は、まさに独り歩きを特徴とするのであり、その独り歩きから導き出される仮説は、我々の共通感覚にひどく悖反したものとならざるを得ない。

[照屋佳男「社会の再発見と社会の防衛」p.28]


ISBN:9784905978749