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読書ノート

2015-12-18

pp.294-5

他人の労働が評価に値しないものに見えるのが、現代という時代なのである。(…)

すべての仕事が、外からは非難や嘲笑(ちょうしょう)の対象になったかのようである。(…)他人の労働を非難の対象にして、それを選挙の道具にし(…)それが支持された。それは、現在の日本の社会のなかに、他人の労働を尊重しない風土が定着してしまっているからなのであろう。

 誰もが、自分の労働を他人から尊重されない。そんな時代を私は「誇りなき労働の時代」と呼ぶ。(…)

誇りなき労働のなかからは、たえず頽廃(たいはい)した労働が生まれ、それがまた人々の非難と嘲笑を高める。

 こんな雰囲気が、今日の誇りなき繁栄の時代をつくったのだと思う。

[内山節『戦争という仕事』pp.294-5]


ISBN:9784784070329