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読書ノート

2015-12-15

pp.230-2

近代以前の人々は、理解された世界ではなく、諒解された世界を軸にして生きていたのではないかと思えてくる。(…)

諒解できる世界とは、その内部に身を置いている者にしか納得できない性格を持っている。(…)お互いに理解し合うことはできても、心の底から諒解することはむずかしい。(…)自分の生きている世界の外に無数の諒解できない世界がひろがっていることを人々が受け入れながら暮らしている時代でもあったのである。

 近代的な精神は、このわかりにくい世界をわかりやすい世界に変えたのだと思う。(…)

次第に人間たちは、理解できることしかつかめ*1なくなって(…)

わかりやすく理解可能な結果を求め(…)理解の外にあるものを無視させる傾向を生んだ。

[内山節『戦争という仕事』pp.230-2]


ISBN:9784784070329

*1:p.24