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読書ノート

2015-12-08

p.16

だが軍人としての誇りは、国家や政治が正しい判断をしているという前提がなければ成立しない。正しい判断にもとづいて下された命令に従うという前提があってはじめて、正しいことを実行しているという仕事の誇りは生まれるはずである。

 ところが、歴史を振り返れば、国家や政治が誤った判断をした例は、枚挙にいとまがないほどある。とすると、「戦争という仕事」は、国家や政治がつねに正しい判断を下しているという虚構を成立させることによって、「虚構の労働の誇り」を生みだすことになる。

(…)この「虚構」があってこそ、私たちはその命令の下で働くことに誇りを感じることができる。

[内山節『戦争という仕事』p.16]


ISBN:9784784070329