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読書ノート

2015-10-25

pp.034-5

世俗化の最初の段階は絶対主義の勃興であって、宗教改革ではなかった。ルターによれば、「革命」は、神の言葉が教会の伝統的な権威から解放されるとき世界を震撼させるのであり、それはあらゆる世俗的な統治形態に不変のものであり、妥当するものである。それは新しい世俗的な秩序を打ち立てるのではなく、あらゆる世俗的な制度の基礎をたえず永久に震撼させるのである(7)。(…)彼の創設したのは時代の新秩序((…))ではなかったし、それを意図したのでもなかった。むしろ反対に、真にキリスト教的な生活を、たとえどのようなものであれ世俗的秩序にたいする考慮や心配からもっと根本的に解放することがその目的であった。このことは、ルターが権威を伝統からひきだすかわりに、権威と伝統をつなぐ絆を断ち切って権威を神の言葉自体に求めようとした結果、かえって近代における権威の喪失に寄与したということを否定するものではない。しかし、新しい教会を創設しなかったとしたら、(…)中世後期の終末論的な期待や思弁と同じように効果のないものであったろう。

[ハンナ・アレント『革命について』志水速雄訳 pp.034-5(傍線=傍点)]


ISBN:9784480082145

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