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読書ノート

2015-06-06

pp.148-9

 アーレントによれば、公的(パブリック)なものとは(…)

人と人とのあいだにある世界そのものを意味している。アーレントはそれを座っている人びとのあいだにあるテーブルにたとえる。(…)テーブルである世界は人びとを結びつけると同時に分離させるものである。(…)

 そうした世界や公的領域のリアリティは、さまざまな物の見方が同時に存在することによってのみ確かなものとなる。(…)一つの物の見方だけではリアリティは生まれない。「物の周りに集まった人びとが、自分たちは同一のものをまったく多様に見ているということを知っている場合にのみ」世界のリアリティは現れるからである。

[矢野久美子『ハンナ・アーレント/「戦争の世紀」を生きた政治哲学者』pp.148-9]


ISBN:9784121022578