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読書ノート

2014-03-02

pp.054-5

「他人指向」は、階級制度が消失した後に(…)規範を求めるような性格、つまり階級の流動化・民主化が定着した社会において生じる性格なのである。産業による消費者の操作が可能になったのも、人々が(…)価値の階梯を信じることができなくなり、他者を気にし始めたからなのだ。(…)

 ところがここには大きな矛盾が待ちかまえていた。(…)「〝アメリカ化〟は、(…)すべてのアメリカ人が通らねばならなかったプロセス」*1であった。さらにそれは、過去の記憶が消し去られてゆくプロセスであった」。ところが(…)当のアメリカには出来合いの伝統的な国民像が存在しないのである。リースマン*2はそこで、消費の「スタンダード・パッケージ」という概念を持ち出す。他人指向のもとで、(…)「人並み」の生活を送ることつまり中流であることが、アメリカ国民であるということの自己認識となる、ということだ(リースマン、原著一九六四)

(…)スタンダード・パッケージは、(…)商品が示すアメリカ文化の自画像なのだ。(…)そして企業はマスコミにおいて自社製品が「スタンダード」であることを主張するマーケティング戦略を採用してゆくのである。

[松原隆一郎「消費資本主義のゆくえ」pp.054-5]


ISBN:448005863X

*1(イーウェン、原著一九八二)

*2:「D・リースマン」(p.39)