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読書ノート

2014-02-26

pp.195-8

サックスとワーナー*1は、世界の国々を二つのグループに分けた。国際貿易に対して開放的な国と、閉鎖的な国である。(…)

その他の欠点がどれだけ大きいのかにかかわらず、(…)貿易に対する障壁を低くするだけで、成長に拍車がかかるのである(8)

 これらの結果は、(…)「開放的」と「閉鎖的」に分類する際に採用した方法に決定的に依存していた(9)。(…)一九八〇年代まで輸入に対して高い障壁を維持し、かなり大きな製造能力を獲得した後に初めてこれらの障壁を削減していたにもかかわらず、開放的な国として扱われた。(…)

これらの研究(…)新しいコンセンサスは、外国貿易と外国投資を国内の経済社会政策の適切さを判断する究極の物差しに転換し(…)グローバリゼーションの追求は開発戦略に取って代わり、(…)それ自身が目的となった

 学会でも懐疑的な声はあったが、実世界における(…)熱狂に立ち向かうことに関心を持つ者はほとんどいなかった。多くの経済学者は、(…)研究は信憑性に欠けると、内々では言っていた。しかし、彼らは保護主義を容認しているように思われたくなかった。(…)

 二〇〇〇年に、私がサックス=ワーナー(…)その他の同様な研究に対する批判を研究者たちの前でプレゼンテーションした際の反応は象徴的だった。著名な経済学者は、私を遮り(…)「なぜ君はこのようなことをするんだ?」私は途方に暮れてしまった。経済学者はとても議論が好きなので、(…)疑問を持たれることには慣れていたが、このような疑問に遭遇したことは以前にはなかった。(…)自由貿易という思想はこれほどまでに神聖にして犯すべからざるものとなってしまい、その証拠を再検討するものは、その動機を問題視されなければならなくなったのである(14)

[ダニ・ロドリック「グローバリゼーション・パラドクス/世界経済の未来を決める三つの道」柴山桂太・大川良文訳 pp.195-8]


参考

  • 【東田剛】日本の悪夢 | 「新」経世済民新聞(キャッシュ)

ISBN:9784560082768

*1:「ジェフリー・サックスとその共著者であるアンドリュー・ワーナー」