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読書ノート

2014-02-16

pp.86-7

ドリスキル*1は、「自由貿易を支持する議論を脱構築する」と名づけられた興味深い論文で、(…)次のように書いている。(…)経済学者の書いた貿易利益に関する文献の大半は、(…)「熱心な検事による擁護」に似て(…)情報を提供することよりも、読み手を説得することを目的としている(21)。(…)

自由貿易の恩恵に対する疑いを公に表明することは、(…)統制経済の推進に関心がある「野蛮人」に力を与えるだろうと、経済学者は恐れているのだ。おそらく、彼らのイデオロギーとも関連しているのだろう。(…)

グローバリゼーションのこととなると、画一的でない意見を述べる学者をトップクラスの大学で見つけ出すことは、つい最近まで本当に難しかった。ドリスキルが自身の論文を専門雑誌に投稿した時、次から次へと掲載拒否された。(…)ドリスキルの指摘(それは私のものとも一致する)は、経済学界の中ではよく知られていることなのだ。問題は、経済学者がその見解を国家機密のように隠し持ち、そのことを庶民と分かち合おうとする者を裏切り者と見なすことにある。

[ダニ・ロドリック「グローバリゼーション・パラドクス/世界経済の未来を決める三つの道」柴山桂太・大川良文訳 pp.86-7(傍線=傍点)]


ISBN:9784560082768

*1:「ヴァンダービルト大学の経済学者であるロバート・ドリスキル」