Hatena::Groupbook

読書ノート

2014-01-26

p.273

例えば「元号法」の場合(…)

一部の右翼論者から、天皇の御生前において、崩御後のことを文案で規定するのは〝不敬〟であり、臣道(しんどう)に反するという非難をうけて驚いた。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.273]

「皇祚は一系にして分裂すべからず」/青々企画代表 田中 卓 第23回



ISBN:9784344983335

p.271

国史の実相を洞察すると、(…)皇位の継承をめぐって、皇統に属する以外の豪族の野心家(…)皇族の中にさえも皇位につくために、出処進退を誤るお方あったことも、絶無とはいえない。しかし、その危機を防ぎ、国体を護持し得たのは、優れた英主天皇の聖徳と、忠臣義士の殉国(じゅんこく)の働きであった。

 この事実を忘れて、(いたずら)に皇統の「万世一系」を称えるのは、いわゆる美化史観に他ならない

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.271]

「皇祚は一系にして分裂すべからず」/青々企画代表 田中 卓 第23回



ISBN:9784344983335

p.266

 私自身も、戦前の男尊女卑の風潮の中で育った独り子だが、その男女観を大きく変化させられたのは、戦後の男女共学の教育に携わってからである。ことに大学の卒業論文を評価すると、上位の多くが女子であるのに驚いた。学長会議などで他の大学の実情を尋ねても、ほとんど同様だ。(…)

 伊藤博文や井上毅は、少なくとも男女観については、不幸な時代の人物であった。私が彼等を惜しむのはこの点である。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.266)]

『皇室典範』に流れる”男尊女卑”思想/青々企画代表 田中 卓 第22回



ISBN:9784344983335

pp.263-6

『謹具意見』と題するけれども、(…)要するに、嚶鳴社の討論会の男統派を代表する島田・沼間の意見の紹介(…)井上毅も(…)伊藤博文もそれに同調して、明治の『皇室典範』が成立したのである。(…)

 そして彼等に共通する思想は、男子が妻以外に(めかけ)をもっても別に不道徳でなく、当然のこととしている点である。

 事実、幕末から明治初期に活躍した政治家の中には、公然と妾をたくわえていた実例が少なくない。

(…)井上毅も(…)側室(女子三人生む)が一人あった。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」pp.263-6(傍線=傍点)]

『皇室典範』に流れる”男尊女卑”思想/青々企画代表 田中 卓 第22回



ISBN:9784344983335

pp.257-8

イソップ萬話集の中の「獅子と熊と狐」(…)

もはや悪賢い「狐」に当たる〝天皇制廃止ないし無関心〟論者が、ボツボツと姿を現してきているのを、私は実感している。

 一体、論争の目的と本質は何なのか、それを互いに反省し、解決を急がねばならないと思う。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」pp.257-8]

イソップ寓話の戒めと吉報二題/青々企画代表 田中 卓 第21回


ISBN:9784344983335

pp.253-4

「皇室典範」の性格が、当初の〝皇家の家法〟から、増補の際の官報告示によって、〝国法〟に変わり、さらに敗戦後の改変によって、〝憲法の下位に当たる一法律〟化している(…)

もともと私は、(…)その身位を、法によって規制するのは間違いだ、という(…)瀧川政次郎博士の教を尊重しており、(…)大宝律令でも、天皇の身位や皇位の継承については、まったく言及されていないことを承知している(…)

明治に入って、欧米文化の影響をうけ、(…)〝皇家の家法〟と称する「皇室典範」が出来た(…)叡智を集め非常な苦心の結晶であることは十分に承知しているが、やはり、法典という制約には、予想外の欠陥がともなうものである。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」pp.253-4]

要領『皇室典範改正私案』の解説について/青々企画代表 田中 卓 第20回



ISBN:9784344983335

p.250

 男系・女系などというから、男女の堅苦しい対立となるが、もともと子供は、(…)両性から生まれるのである。「夫婦相和シ」(教育勅語)こそが日本の、いや人類の道徳だ。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.250]

皇家の万葉一統を護持するために― 次の「皇太子」は愛子内親王殿下が道理(2)―/青々企画代表 田中 卓 第19回



ISBN:9784344983335

pp.249-50

側室制の本質は、シナで盛行した男尊女卑の思想に通底し、近代日本では反時代的な弊風であるため、昭和天皇の御英断によって、完全に廃止されて今日に至っている。

(…)旧弊が、永続し得る道理がない。いや道理だけでなく、(…)歴史上の実証もある。常識ある国民ならば、今日の危機が、まさにこの点にあることを率直に認めねばならない。

 ところが不可解なことに、(…)

この重要な論点を避けて、男系男子に固執する(…)梯子をはずされても、まだ虹の橋で登れると空想するに等しく、空論という他はない。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」pp.249-50(傍線=傍点)]

皇家の万葉一統を護持するために― 次の「皇太子」は愛子内親王殿下が道理(2)―/青々企画代表 田中卓 第19回



ISBN:9784344983335

p.247

問題は、現行皇室典範で「皇太子」の女性が否定されていないのに、「皇位」が「男子」に限定されているという矛盾である。この矛盾は当然、改められねばならない。(…)でなければ、(…)八人十代の女帝も、歴史の上から抹消されてしまうことになり、道理として許されないことになる。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.247(傍線=傍点)]

皇家の万葉一統を護持するために― 次の「皇太子」は愛子内親王殿下が道理(1)―/青々企画代表 田中 卓 第18回



ISBN:9784344983335

p.236

 宮内庁としては、(…)慎重な気持ちがあるのであろうが、それも事によりけりである。(…)皇族の方々が名指しで(はずか)しめられているのに対しての、宮内庁、内閣官房連名の抗議で(…)二度までも抗議そのものを虚仮(こけ)にされて(…)問い詰める怒りの気概が感じられないのは不可解である。

 さらに(…)二回目の抗議が「宮内庁」だけで「内閣官房」が削られているのはなぜか。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.236]

【緊急特報】二度吃驚の『週刊新潮』の超スクープ事件 (1)/青々企画代表 田中 卓 第14回


資料



ISBN:9784344983335

pp.221-3

産経新聞(五月二十七日朝刊)(…)佐伯啓思教授の「戦後憲法 正当性あるか」(…)

4月28日に政府は政権回復の式典を執り行った。(…)政府が現憲法の正当性について、暗黙のうちに大きな疑念を表明したことになると了解すべきなのである。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」pp.221-3]

憲法も典範も改正以前に常識に還ろう/青々企画代表 田中 卓 第13回


ISBN:9784344983335

pp.203-5

憲法が論争で混迷すると国家秩序が乱れ、国威も衰微する。それにつけこむ外患もなしとしないであろう、私はそれを憂慮するのである。

(…)現憲法は(…)明治憲法より十年ほども長い。(…)それだけに困難のともなうのもまた必須である。

 総体的な憲法改正問題などは、国民の国体観がほぼ一致して、(…)古来の日本の伝統がよみがえり、国民精神が安定した段階でないと、かえって危険な政争を深刻にすることを、為政者は十分に心掛けてもらいたい。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」pp.203-5]

憲法改正よりも皇室典範改正に注目せよ/青々企画代表 田中 卓 第10回


ISBN:9784344983335

p.193

私どもにとっては、敗戦後のY・P((…))体制を超克するために悪戦苦闘を重ねてきたのが、日本の〝戦後〟であり、それが「平和な時代」であるはずはない。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.193]

【緊急特報】朝日新聞のスクープは山折論文の弱点を炙りだす/青々企画代表 田中 卓 第6回


ISBN:9784344983335

p.192

山折*2氏は、「平和な時代」の代表に〝江戸時代〟を挙げているが、(…)「鎖国」(…)『禁中並公家諸法度(きんちゅうならびにくげしょはっと)』や身分制度その他をもってきびしく統制したから、形式上の平安が保たれた(…)しかしその閉塞した社会に反撥した思想が、やがて倒幕・維新の原因となったこと、ご存知の通りである。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.192]

【緊急特報】朝日新聞のスクープは山折論文の弱点を炙りだす/青々企画代表 田中 卓 第6回


ISBN:9784344983335

p.189

 心経写経は、もともと天災や疫病等に際して、その功徳を祈念して継承されたものである。(…)神武天皇の建国の大方針として日本書紀に伝えられているように、「夫れ大人(ひじり)(のり)をたてて、義必ず時にしたがう。いやしくも(おおみたから)に利あらば、何ぞ(ひじり)(わざ)をさまたげむ」という、御歴代天皇の国民(おおみたから)愛護救済の大御心の発露である。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」p.189]

【緊急特報】朝日新聞のスクープは山折論文の弱点を炙りだす/青々企画代表 田中 卓 第6回



参考

藤井聡「『土木叩き』の民俗学」(土木を語る 第4回) - YouTube

ISBN:9784344983335

pp.177-9

もともと「祭祀王」などと言う言葉は敗戦後の一部学者の造語で本来の日本語ではない。(…)

敗戦後、(…)「象徴天皇」という前例のない奇妙な名義を生み出しただけのことであって、(…)“象徴”の用語に誘引された戦後の産物である。

(…)

佐伯*3氏の提案するのは、

「立憲天皇制」=「立憲祭祀王」

(…)「祭祀王」としての天皇は、「フィクション」として「(…)国民が承認できるか否かにかかっている」というのである。

 「フィクション」とは何か。(…)“作りごと、虚構”(…)「祭祀王」の背景には、このようなフィクションが隠されているわけだ。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」pp.177-9]

評者は自らの”立つべき拠所”を明らかにせよ (中)/青々企画代表 田中 卓 第5回


ISBN:9784344983335

*1:「三笠宮崇仁(たかひと)親王殿下」

*2:山折哲雄

*3:佐伯啓思