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読書ノート

2014-01-25

pp.157-8

日本国家の成立史上で、氏の発生する時期は、いまだ明確ではないが、私は三世紀頃と推定している。それまでは各地方に〝小さなクニ(地域)〟が散在していたであろうが。その場合、域内の各個人には何らかの氏名がついていても、その首長は〝キミ〟(君・公)のみを通称とし、氏はなかった。なくても通用したからである((…))。

 しかし、〝小さなクニ〟が次第に統合されて大規模になると、(…)首長も、氏がないと呼び分けられなくなる。これらの大豪族の氏((…))は、そのようにして自然に発生、ないし彼等を統一した大首長から賜与されたのである。ところが統一した側の大首長のみは、当然、氏姓がなくともキミ(公・君)で通る。これがのちの「天皇」であるから、皇室に氏なし、ということになるのである。

[田中卓「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか/女性皇太子の誕生」pp.157-8]


ISBN:9784344983335