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読書ノート

2013-08-29

p.19

もしかすると、日常とは時間を取り戻すことなのかもしれません。

[佐伯一麦「震災と言葉」p.19]


ISBN:9784002708492

p.18

例えば小説を書いている時には、時間の流れというものがある。(…)着々と時間の経緯というものがある場合は、それで通用するのだけれども、(…)明日どうなるかわからない。二週間後とか三週間後とか書いても、自分自身が二週間後や三週間後を信じられない。(…)肉体の方が信用していないわけですね。

[佐伯一麦「震災と言葉」p.18]

ISBN:9784002708492

pp.14-5

 あえていえば、言葉が真空状態に陥ってしまうというのでしょうか。(…)僕の感じ方だと、あまりにも大きすぎる惨事の渦中にいると、喜怒哀楽の感情も生まれてこないような、感情を喪失してしまった真空状態に、被災地の人々は陥っていたような気がします。(…)

 ひと月ぐらい経った頃には、(…)何か自分の周りをいろんな言説が飛び交っているのだけれども、全然自分の方には入ってこない、(…)

言葉の大洪水というか、言葉による津波が押し寄せてきたような感じです。(…)

そのあたりから、日常が少しずつ戻ってきました。

[佐伯一麦「震災と言葉」pp.14-5]


ISBN:9784002708492