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読書ノート

2012-10-21

pp.38-9

| 02:46

「ヨハネの黙示録」の(…)善の原理と悪の原理(…)という二元論(…)これとヘーロドトスの(…)対決の図式が重なり合うと、(…) ヨーロッパの神聖な天命は、神を助けて、悪魔の僕であるアジアと戦い、アジアを打倒し、征服すること(…)最後の勝利を収めた時、対立は解消して、歴史は完結する、という思想になってしまう。(…) この思想は、十一世紀にヨーロッパで高まって、イスラムに対する十字軍という形をとったが、それで終わりではない。 (…)大航海時代(…)現代においても、(…)絶えざる対立と、摩擦(まさつ)と、衝突の最大の原因であり続けている。

(…)日本が、アメリカ・西ヨーロッパから露骨に警戒されるのは、日本がアジアの国である、という単純な理由からである。 アジアの国であるからには、(…)潜在的には(…)敵であるはずだ、というのが、地中海世界のキリスト教歴史観の論理の明快な結論である。 いかに日本が国際社会で誠実に努力しても、日本がアジアの国であることをやめるか、またはキリスト教歴史観よりもはるかに強力な歴史観を創り出さない限り、(…)敵視される運命を逃れることなど出来るはずがない。

[岡田英弘「世界史の誕生─モンゴルの発展と伝統」pp.38-9]


ISBN:9784480035042