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2005-05-29616-619

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魔地図 (光文社文庫)

魔地図 (光文社文庫)

 井上雅彦監修の異形コレクションを手に取るのは、今回で三回目。しかし全作品に目を通したのは初めてである。読み進めるたびに驚嘆した。今までに二回、知っている作者の作品にしか目を通さなかった自分が愚かだと思い知った。以下、寸評。

林巧「路環島の冒険」最初の一作に相応しい出来だと思う。自己主張は控えめで、平均的に面白かったように思う。

梶尾真治「その路地へ曲がって」素晴らしい、言うなれば優しい恐怖、暖かい闇。カジシンの愛称で知られ、前々から興味を持っていたが読むのは初めて。いや、期待以上の出来栄え、素晴らしかった。

森真沙子「猫ヲ探ス傑作。それ以外の言葉は不要。このアンソロジィに収録された作品の中では二番目の好き。内田百閒好きであれば尚更だろう。

松本楽志「皮膚」「海を集める」は正直、よく分からなかったけれど、これは凄い。今回、生き物の皮膚に地図を描く、という設定の作品は多かったけれど、がくしさんのが随一。

大槻ケンヂなんだなんだこれは。最高じゃねえか。

平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」大傑作、このアンソロジィのベスト。地図による一人称小説なのだが、物語の見せ方が非常に秀逸。素晴らしい、大傑作であった。

坂本一馬「ひろがる」《特別賞》あるいは《技能賞》ということで、掲載に至った応募作品のひとつ。きれいにまとまっており、落ちも鋭く分かりやすく面白かった。

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