雲上読記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006-01-15

[][][]801 22:29 801 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 801 - 雲上読記 801 - 雲上読記 のブックマークコメント

ニンギョウがニンギョウ (講談社ノベルス)

ニンギョウがニンギョウ (講談社ノベルス)

町田康の書いた『ラス・マンチャス通信』」を西尾維新が代わりに書いてみました、とでも言うか。非常に幻視色、幻想色が強かった。しかし、秋山がそう感じたのは、やはり大正を感じさせる装丁やデザインに、画数の多い漢字が潰れてしまうことさえ辞さないほどの掠れさせているフォントに依るところが多いだろう。雑誌掲載時に読んだとしたら、ただ単に幻想小説の真似事かと思っただけだったかもしれない。

 最近になって幻想や不条理を何作か読み、それらに耐性がついていたので本書を読むのはそれほど苦でなかった。むしろ、西尾維新の新しい境地を感じさせたし、未だ幻想を完全にものにしていないがゆえに生じる、初々しく瑞々しい筆致を楽しむことさえできた。本書は西尾維新をキャラで読んでいる人には論外、幻想小説に馴染み深い人からすれば低レベルとなるだろうが、秋山は評価したいと思う。中々に面白かった。

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2005-11-17

[][]751 22:09 751 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 751 - 雲上読記 751 - 雲上読記 のブックマークコメント

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

 読み終えて呆然としてしまった。一体、いつの間に玖渚友は、自分の中でここまで大きな存在となったのだろうか。最後の一ページで思わず泣きそうになってしまった……まあ、それはともかく、えらい変化球が来たと思った。それほど期待せずに読んだ秋山はともかく、西尾維新の熱狂的なファンは、果たしてこの程度で満足するのだろうか――伏線云々ではない。大団円および最終決戦前夜など、今までのキャラクタたちを一堂に会させる絶好の機会だと言うのに。キャラで西尾維新を読んでいた人は、むしろ唖然としたのではないだろうか。世界の終わりや物語の終わりもそうだ。ここに来て、ミステリ的な展開、あるいはメタ的な展開が来ることを少なからず望んでいた読者も少なくはないだろう(ああ、口調が戯言になっている)。まあ、何はともあれ、ようやく終わったと言ったところか。楽しい夢が見れた。

 ところで『ヒトクイマジカル』のアトガキで「ラスボス登場」とあり、その巻では玖渚友がはじめていーちゃんに対し「俺」という一人称を使ったので、もしや完全に死線の蒼となった玖渚友がいーちゃんに対し牙を剥くのではないだろうかと予想したが、そんなことは全然なかった。

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2005-06-20629-632

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ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)

 西尾維新はもはや王者だね。この一冊は、読み終えてしまうと実は何でもない一冊。大きな視点からすれば、大した展開があるわけではないし、大きな事実が明かされたわけでもない。それにも関わらず読ますこと読ますこと。猛スピードで読者を牽引してくれる。読み続けることを止めることができない、それを止めさせない。読んでいる間だけ楽しい、というエンタテイメントの力を完全に自分のものにしている。凄まじい完成度。

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2005-02-02526

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ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

 シリーズ六作目、一冊目。

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2004-09-01437-454

[][][]新本格魔法少女りすか 新本格魔法少女りすか - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 新本格魔法少女りすか - 雲上読記 新本格魔法少女りすか - 雲上読記 のブックマークコメント

新本格魔法少女りすか (講談社ノベルズ)

新本格魔法少女りすか (講談社ノベルズ)

 戯言シリーズで有名な西尾維新による魔法少女もの。『ファウスト』に掲載された短編二作に書き下ろしの一作を加えた短編連作。自分でも驚いたが、このシリーズは素晴らしい。

 第一話「やさしい魔法はつかえない。」――シリーズの一作目。魔法使い魔法の国などというファンタジィが現代に現実に存在するという舞台説明と、登場人物たちの紹介を兼ねた作品の尽き、語られている事件自体はわりと小振り。ちょっとしたミステリ仕立てになっているが、あくまでちょっとしたもので『ファウスト』第一号にこれが掲載されたときは僅かな失望を感じたことを覚えている。扉絵の「……なぜ、魔法はあるの?/……なぜ、変身するの?/……なぜ、大人になるの?/……なぜ、少女なの?」というキャッチコピィが素晴らしいものであっただけに残念だった。

 第二話「影あるところに光あれ。」――基本的に第一話と変わらない。一行目から犯人が指摘されており、ミステリ色はないに等しい。アクションパートも最初から見え見えの切り札で切り抜け、パターンも第一話と大差なく、拍子抜けの感は否めない。また第二話に至っては、主人公の性格の悪さが本当に極まって、吐き気すら抱いた。最悪な話だと思った。

 第三話「不幸中の災い。」――これを読む前に『ファウスト』第三号に掲載された第四話を読んだのだが、それはわりと面白かった。なので本書を手にとってみようと思い立ったのが、果たして大正解だった。第一話も第二話も今ひとつだが、第三話は素晴らしい。敵となる魔法使いの攻撃がパターンに富んでいて魅力的なのもさることながら、りすかの出番を減らすことでマンネリ化することを避けているのもポイントだ。……いや、他の何よりも特筆すべきは、228ページの上段だろう。待ち合わせに遅れた男女がよく交わす、何の変哲もないありふれた科白をまさかここに持ってくるとは、そしてそれがこれほどの効力を持つとは。またこれの前後も素晴らしかったし、最後の一行も思わず身が捩れた。いや、捩れはしなかったが。とにかく良かった。いーじゃん、いーちゃん

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