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2005-05-15606-608

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とくまつ 夜霧邸事件 (徳間デュアル文庫)

とくまつ 夜霧邸事件 (徳間デュアル文庫)

 賛否両論のある作者の書く、賛否両論のあるシリーズだけれど、とても面白かった。僅か三時間半という短い時間の中で、千人が殺されるのだけれど、もう疾走感とホラーが堪らない。帯には「館ミステリー」などと銘打ってあるけれど、実は違う。屋敷の主人に匹敵する能力を持ったボディガード、そのボディガード十人分の能力を持った精鋭、その精鋭の十人分の能力を持った隊長。その彼らが正体不明の敵たちの手によって次々に葬られてゆくのだ。その情景は正しく、圧倒的な敵を前に、成す術もなく逃げ惑うしかない典型的なホラーだろう。いやあ、面白かった。続きが楽しみ。

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2004-12-01501-512

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とくまでやる (徳間デュアル文庫)

とくまでやる (徳間デュアル文庫)

 え、いいじゃん。

 はっきり言って、本書を読む気にはなれなかった。同時期に刊行され、本書よりも評価されていた『秘密屋文庫』を今一つ楽しむことが出来なかったし、その前の『キャラねっと』も酷かったし。この『とくまでやる』に手を出すには勇気を要した。きっかけは第三回文学フリマだろう。徳間デュアル文庫のブースで、長髪の「え、清涼院流水?」と一瞬、勘違いしてしまうような売り子に「サイン本なんですよ」と「いや。幾らなんでもサイン……と言うか、彩印しすぎだろう清涼院流水」な本を見せられ、つい買ってしまったのだけれど、読み始めるが長かった。ちなみに彩印ナンバー3476で大吉です。大吉以外を求め、積んであった本のすべてを確かめたのは秘密屋さんしか知らないことです。

 内容に関しては面白かった、ええ、とても。時間があったので一気に読みきってしまったのだが、二ページごとに区切られているので電車の中や休み時間に読むのも適しているだろう。最初のうちは主人公がコロコロ変わるので読みづらかったのだが、そのうち誰かがピックアップされていることは、あまり意味がないことに気付き、すんなりと読み込むことが出来た。それに勿論、イラストに手伝われてはいるだろうが、嫌味のない、等身大のキャラが描けているような気がして、面白く読めた。特に最後の方なんて最高じゃん。清涼院流水作品を漫画化されたものまで含めて読んでいる人には、思わず「キター」と叫びたくなるような展開だし、弓道は最高だし、エンディングもイラストが映えてきれいだったし、いやあ、良かったなあ。秋山肯定。

 後、タイトルに関して。主人公の名前が出有特馬(である・とくま)だから『とくまでやる』。解くまでやるから『とくまでやる』。徳間(デュアル文庫)でやる(=書く)から『とくまでやる』。徳間デュアル(文庫)だから『とくまでやる』。後ろのふたつは不覚にも気付かなかったので、なるほど面白いと思った。メフィスト翔よりは、いいだろう。

 もう一点。2005年3月に刊行が予定されている本書の続編のタイトル当てクイズというのがある。2004年12月31日までにdual@shoten.tokuma.com宛に続編のタイトルを予想して送ると、正解者に「豪華な謎のプレゼント」が、惜しい人&面白かった人に「スペシャル彩印(サイン)本」が贈られるそうです。是非どうぞ。

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2004-09-01437-454

[][]秘密屋文庫 知ってる怪 秘密屋文庫 知ってる怪 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 秘密屋文庫 知ってる怪 - 雲上読記 秘密屋文庫 知ってる怪 - 雲上読記 のブックマークコメント

秘密屋文庫 知ってる怪 (講談社文庫)

秘密屋文庫 知ってる怪 (講談社文庫)

 本書は講談社ノベルスより刊行されていた『秘密屋 赤』を九割に、『秘密屋 白』を五割以下に改稿し、書き下ろしの『秘密屋 黒』を加えた短編連作である。自分は『赤』より『白』の方が好きだったので、『赤』が一割しか削られていないのに対し、『白』が五割も削られたのは納得が行かなかったが、予想外に『黒』が面白く、またこれは『白』の続きと言っても差し支えのない展開だったので、構成には納得した。

文庫1『秘密屋 赤』――都市の伝説」巻末に参考文献として都市伝説や噂に関する本が列記されているが、そこに書かれてあった話をそのまま転記したような内容。はっきり言って胡散臭い逸話が延々と続くだけなので面白くない。嘘くさいが嘘かどうか、今ひとつ判然としない噂話が好きな人には面白いのかも。

文庫2『秘密屋 白』――仕事師の伝説」『赤』では秘密屋について調べていた主人公の元に間違い電話が掛かってくる場面から始まる。電話の向こうにいる相手は、主人公のことを秘密屋だと勘違いしており、主人公は電話の向こうの相手と口で戦うことになるという内容。清涼院流水の著作に、この手の頭脳バトルは頻繁に登場するのだが、自分はわりと好きでノベルス版と同じく楽しく読めた。

文庫3『秘密屋 黒』――摩訶愛しの伝説」『赤』『白』と続いてきた物語の完結編となる『黒』。清涼院流水なのにトンデモな結末ではなく、極めて真剣に締められており、またちょっとした叙述トリックも仕込まれていて、何て言うか、一言で言って感心してしまった。清涼院流水の入門としてはお勧めできないが、ある程度、清涼院流水を読んで面白いものと面白くないものが判別できるようになれば、本書を面白いと思えるかもしれない。

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2004-06-01368-396

[][]トップラン&ランド完 トップラン&ランド完 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - トップラン&ランド完 - 雲上読記 トップラン&ランド完 - 雲上読記 のブックマークコメント

トップラン&ランド完 (幻冬舎文庫)

トップラン&ランド完 (幻冬舎文庫)

 音羽恋子は生後間もなく何者かによって連れ去られ、別の赤ん坊とすり替えられていたのか。1967年、一家の元を去った藤兵侍は何処に行ってしまっていたのか。『トップランド2002 戦士エピソード1』の結末は、一体何を意味していたのか。トップランシリーズ全六巻&トップランドシリーズ全三巻を統合し、残されていた謎を解き明かす完結篇。既刊九冊を読んでから手に取ってもいいし、この本からシリーズに入ってもいいという特異な一冊。

 トップランシリーズは、初めから全六巻という構成で始まり、無事に六冊全てを刊行することができたのだが、トップランドシリーズの方はそうではない。こちらに関しては著者曰く、自分が生きている限り永遠に続くとのことだったのに、それが全三巻で終わってしまったのは出版者の都合であり、平易な言い方をすれば打ち切られたということ。突然の打ち切りに対し著者は、トップランドシリーズの最終巻となる『トップランド2002』に、今後、盛りこむ予定だったネタの一切を注ぎこむという荒技を放った。その結果、長い間、このシリーズは伏線が張られるだけ張られて、そのまま終わってしまったという、何とも続きが気になる後味の悪いシリーズとなっていた。それが本書の発売によって、ようやく謎も解明され、気になっていた点にも答えが与えられ、一ファンとしてはようやく人心地ついた。『トップランド2002』を読んで続きが気になった人には、必読の一冊だろう。(2004年04月・幻冬舎文庫

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2004-05-01363-367

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キャラねっと―愛$探偵の事件簿

キャラねっと―愛$探偵の事件簿

 セイ暦2001年、現代に類似した架空の世界では『キャラねっと』と呼ばれる「オンライン学園R.P.G.」が学生たちの間で流行っていた。13歳から19歳までのみをユーザと認めるこのゲームは「@スクール」と呼ばれる仮想の学園を舞台とし、キャラ同士の交流やイベントを通し、卒業までに成人度100パーセントを迎えることが目標となっている。主人公の池丸大王は、この“バトルで負けても倒れるだけ”というゲームの中、何者かによって殺されてしまう。池丸大王2としてゲーム内に復帰した彼は、自分を殺した真犯人を求めて調査を開始する。

 ライトノベル文芸誌ザ・スニーカー』にて連載された短編「みすてりあるキャラねっと」「めいきゃっぴキャラねっと」「であいまちょキャラねっと」の三篇に、書き下ろし掌編を加えた短編集。「みすてりあるキャラねっと」は2002年11月に角川スニーカー文庫より発売され、その頃は横書きに加え、作中におけるゲーム画面を模したイラストや画像がふんだんに使われた意欲作となっていたが、本書は二段構成のノベルスでイラストの類も少なめ。紙質やデザイン装丁は格好いいのだが、作者があの清涼院流水であることに加え、元々ライトノベル文芸誌で連載されたものだったことを考慮すれば、初めての人にはあまりお勧めできない。(2004年03月・角川書店

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