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2006-02-28

[][]865 22:01 865 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 865 - 雲上読記 865 - 雲上読記 のブックマークコメント

猫丸先輩の空論 (講談社ノベルス)

猫丸先輩の空論 (講談社ノベルス)

 あまり評判が良くなかった作品だが、著者が倉知淳なので期待するようなしないような、曖昧な姿勢で臨んだところ、可もなく不可もなくといった具合に面白かった。

 猫丸先輩シリーズとしては『日曜の夜は出たくない』『過ぎ行く風はみどり色』『幻獣遁走曲』『猫丸先輩の推測』に続く五作目(外伝として『ほうかご探偵隊』を取り上げてもいいかもしれない)。『メフィスト』に掲載された五編に書き下ろし一編を加えた短編集。主人公はバラバラだが、猫丸先輩なる謎の人物が探偵役を負っている点が共通している。語り口は「さすが倉知淳!」と叫んでしまう引き込ませるものだが、肝心のトリックが今ひとつ。いずれの短編においても謎が魅力的(毎朝ベランダに水の入ったペットボトルが置かれている、呼ばれたタクシーが次から次へとやってくる、など)なのに対し、トリックがちょっとこじつけや過ぎないかと首を傾げてしまうのだ。

 なお、収録されている短編は、いずれも某ミステリ作品の題名をもじったもので、以下のページで苔丸さんが元ネタが推理されている。

http://mihoro.zero-city.com/kurachi/list.html

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2006-02-03

[][]822 11:24 822 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 822 - 雲上読記 822 - 雲上読記 のブックマークコメント

ほうかご探偵隊 (ミステリーランド)

ほうかご探偵隊 (ミステリーランド)

 面白かった。ミステリーランドの中では数少ない真っ当にミステリしていて、子ども向けに書かれている、骨のあるしっかりとした作品だった。冒険物ではなく探偵物であるのも好印象。伏線やトリックがきれいに機能していて、大人はもちろん子どもでもかなり満足のゆく作品。格別、いい話、という訳でもないので積極的に子どもに読ませたいわけではないけれど、完成度や満足度で言えば読ませたいなと思う。

 倉知淳を追っているファンへのサービスも、「巧いなあ、憎いなあ」という程度にあって、ファンなら必読だろう。

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2004-06-01368-396

[][]過ぎ行く風はみどり色 過ぎ行く風はみどり色 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 過ぎ行く風はみどり色 - 雲上読記 過ぎ行く風はみどり色 - 雲上読記 のブックマークコメント

過ぎ行く風はみどり色 (創元推理文庫)

過ぎ行く風はみどり色 (創元推理文庫)

 なんでも実家に祖母の霊を呼び出させようとしている霊能者と、そのインチキを暴こうとしている超心理学者が出入りしているらしい。猫丸の後輩、方城成一は母に助けを求められ、十年ぶりに帰宅した。しかし彼が喧嘩別れしていた祖父と再会を果たす前に、祖父は密室の中で殺されてしまう。犯人は家に憑いている悪霊――?

『日曜の夜は出たくない』に続く二冊目の倉知作品。猫丸先輩なる奇怪なお調子物が登場するという点は共通しているが、前作がわりとほのぼのとしていて、日常の謎を取り扱っていたり意欲的な作風を披露してきたことに対し、今作においては古典を思わせるガチガチの本格ミステリ。どちらかと言うと前作の雰囲気を望んでいたので、自分にとっては期待外れ。とは言えミステリ的には優れているし、ガジェットや展開からジョン・ディクスン・カーを連想させるらしいので、カーおよび海外ファンでも楽しめるかもしれない。(創元社文庫

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