雲上読記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-05-14602-605

[][]ブギーポップ・バウンディング ロストメビウス ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス - 雲上読記 ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス - 雲上読記 のブックマークコメント

 久しぶりのブギーポップ。前作より少し持ち直したと聞いていたから僅かに期待していたのだけれど、個人的には戦闘物に徹してしまった前作『ジンクス・ショップへようこそ』の方が好きかな。本書では235ページに始まる一節だけが、かろうじて興味深く読むことが出来た。後は悲しいまでに惰性で読んでしまった。

 また、本書では今まで世界観的な繋がりしか持たないと思っていた『ソウルドロップの幽体研究』が実は、この世界観の中でかなり重要な意味合いを持つ、いずれ「ブギーポップ」シリーズに登場しても不思議ではないと思われるほどの記述がある。まだ『ソウルドロップ』を読んでない方なら、本書を読み終えてから手に取るといいだろう。

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2005-04-29596-597

[][]禁涙境事件 禁涙境事件 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 禁涙境事件 - 雲上読記 禁涙境事件 - 雲上読記 のブックマークコメント

禁涙境事件  ”some tragedies of no-tear land”

禁涙境事件 ”some tragedies of no-tear land”

「諸君、泣くのはよそう。涙は禁止だ。我々は生き延びた。だが、残念ながら――」

 とても不思議な読書体験をしてしまった。本書は禁涙境と呼ばれる、「あらゆる魔力が四分の一以下に抑えられてしまう」不思議な街で起こった四つの不思議な事件を描いたものである。最終的に、四つの事件が、実は全て一貫したものだったと最後で明かされ、きれいに締められるのだが、不備が多くチグハグな印象を受けた。でも、それなのに、不思議と読ませてくるのだ。読み終えてから気づいたのだが、それはきっと「どうして禁涙境では、魔力が四分の一なのか」そして「禁涙境を特殊な地にした彼は、暗殺される前に何と言おうとしたのだろうか」というふたつのとても魅力的な謎があるからだと気づいた。あまり面白くはなかったけれど、リーダビリティはとても高かった。まったく、不思議な読書体験をしてしまった……。

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2005-03-25562

[][]ソウルドロップの幽体研究 ソウルドロップの幽体研究 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - ソウルドロップの幽体研究 - 雲上読記 ソウルドロップの幽体研究 - 雲上読記 のブックマークコメント

ソウルドロップの幽体研究 (ノン・ノベル)

ソウルドロップの幽体研究 (ノン・ノベル)

 作中に散りばめられた幾つかのキーワードから、「ブギーポップシリーズ」や「しずるさんシリーズ」と世界観を共有していることが分かるが、直接的な関係はあまりない。むしろロボット探偵や不可解な方法で殺される被害者の存在から、現実世界に極めてよく似た、しかし別の進化を迎えた異世界のような感を受ける。上遠野節に心酔している人間なら楽しめるかもしれないが、予備知識なく読んだ人や上遠野の熱烈なファンでない人は、受け付けないだろう。

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2004-12-01501-512

[][]しずるさんと底無し密室たち しずるさんと底無し密室たち - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - しずるさんと底無し密室たち - 雲上読記 しずるさんと底無し密室たち - 雲上読記 のブックマークコメント

 シリーズ二作目、前巻を読んだときは前期『ブギーポップ』に見られる上遠野節は少ないし、ライトノベルとしてもミステリとしても今ひとつだなと感じたけれど、二巻となる本書は比較的、楽しく読めた。

 読んで感じたのは、上遠野浩平、いい意味で力を抜いて本書に当たっているなと。彼が得意とする作風や台詞回しを敢えて抑えることで、ある種の押し付けがましさ――これが多いと面白いと同時に、読者を疲弊させる――が減っていて、本書はとても読みやすい。事件ひとつひとつも奇怪な怪奇事件でありつつも、幻想味を保っているのが優れていると思った。以下、雑感。

「しずるさんと吸血植物」死体を囲むように花が咲いているというのは、幻想を感じさせる。事件そのものも陳腐ながら、順当に解決されているし、良い。

「しずるさんと七倍の呪い」個人的には一番、好きかもしれない。作中に出てくるカードゲームが面白そうだというのもあるが、既に終わってしまっている事件というのが好きだ。

「しずるさんと影法師」前二作が幻想的であったりスプラッタであるとするならば、これは都市伝説的と喩えるべきだろうか。ブギーポップ然り、上遠野浩平は、こういうのを書かせると途端に上手くなると思う。

「しずるさんと凍結鳥人」モチーフその物はとても好き。狭い空を滑空する凍てついた死体。よーちゃんが(どうでもいいが、しずるさんがよーちゃんと口にする度に瑶ちゃんと呼ばれているような気がしないでもない)東京の空は狭いことに気づいた瞬間、何故かとても物悲しかった。

 ふと気付いたが、『GOTH』のライトノベル版が『しずるさん』なのかもしれない。いや、『GOTH』もライトノベルだけれど。

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2004-06-01368-396

[][]機械仕掛けの蛇奇使い 機械仕掛けの蛇奇使い - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 機械仕掛けの蛇奇使い - 雲上読記 機械仕掛けの蛇奇使い - 雲上読記 のブックマークコメント

機械仕掛けの蛇奇使い (電撃文庫 (0916))

機械仕掛けの蛇奇使い (電撃文庫 (0916))

 権力を欲しいがままにするのではなく、ただ平和の象徴として座しているだけを求められる皇帝。十七歳の皇帝ローティフェルドは面倒な伝統や義務に追い立てられるのを嫌い、ただ骨董品を愛でていられる時間が好きだった。ある日、彼は千年前に封印された“闘争と破壊の化身”ルルド・バイパーを解放する実験を執り行なう決意をする。

『電撃hp SPECIAL』に掲載された「虚無を心に蛇と唱えよ」に加筆修整を加えたファンタジィ。何人かのキャラクタの名前、バイパーの性別、結末などに変更が加えられている。特に結末は、雑誌掲載版がグッドエンド的なものであったのに対し、文庫版はトゥルーエンド的なもので、より深みが増している。また文庫化されたことで入った挿絵の中でも、最初と最後の挿絵因果関係は、きれいにまとまっている。とは言え、初期の上遠野浩平が持っていた青春小説的要素はなく、『冥王の獣のダンス』と、徳間デュアル文庫の「虚シリーズ」の中間に位置するような雰囲気の作品。単発作品を手っ取り早く読みたい人には、いいかもしれない。(電撃文庫

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