雲上読記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-05-22611-612

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「九マイルもの道を歩くのは容易じゃない、まして雨の中となるとなおさらだ」

 紛うことなき本格推理小説八篇からなる、短編集。二作目を読んだ時点で「今まで勘違いしていて誠に申し訳ございませんでした」と頭を下げたくなった。これが本格の真髄か、これが安楽椅子探偵の本領か。あるいは今まで秋山が読んでいたのは紛い物か、贋作だったのかもしれない。安楽椅子探偵を机上の空論を繰り広げる妄想家で、懐古主義のミステリ読みが妄信しているものだと思っていた。強く戒めなければならない。知らないということは、まさに罪である。今まで誤解していただけでなく、心のどこかで馬鹿にしていたことを強く諌めたいと思う。

 さて、本書は凄まじい。冴え渡る推理に、積み重ねられる推論から導き出される、常人には到底、及ばないだろうという思う論理の高峰。確かに、これを読んでしまったら、名探偵なるものを信奉せずにはいられないだろう。素晴らしかった、素晴らしかった。

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