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2006-02-08

[][]834 00:40 834 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 834 - 雲上読記 834 - 雲上読記 のブックマークコメント

空獏 (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

空獏 (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

 夢と現実、リアルとアンリアル、マトリョーシカフラクタル。そういった曖昧な境界によって区切られた不思議な世界の戦争を描いたもの……と思いつつ読んでいたのだが、読めば読むほど困惑が進むのだ。どんどん定型から脱却してやろうという著者の意気込みが見えるぐらい、意外な方向へ意外な方向へと突き進み、その結果なんだかよく分からない形容しがたきものになっている。百三さん(id:stickyend)が絶賛していたので面白いのだろうけれど、よく分からないごめんなさい、というような感じだ。

 裏表紙に「9つの短篇と10の掌篇が織りなす、不条理で情けなく、けれどヒトに優しい戦争の話」とあるが、むしろ9つの掌篇と10の短文だ。一段落で改行多め、短すぎ!

[][]835 12:19 835 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 835 - 雲上読記 835 - 雲上読記 のブックマークコメント

ご近所探偵TOMOE (幻冬舎文庫)

ご近所探偵TOMOE (幻冬舎文庫)

 息抜き代わりに読める本を探していたところに遭遇。著者は戸梶圭太、タイトルも表紙もアホそうだし、えらい薄い。「これだ!」と思って読んでみたら、想像に違わず満足。これ以上はないというぐらいに脱力して楽しく読めた。

 裏表紙に「ちょっとエッチでコメディな能天気ミステリ」とあったが、正確には「ちょっとの間隔でエッチする能天気な夫婦のコメディ」が正しい。

[][]836 16:54 836 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 836 - 雲上読記 836 - 雲上読記 のブックマークコメント

模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)

模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)

 奥田哲也の『三重殺』や法月綸太郎の『誰彼』。新たな証拠が手に入るたびに首切り死体の正体が万華鏡にように目まぐるしく変わるミステリがある。ひとつの証拠が死体と犯人とを別人にするのだ。

 本書に出てくるのは首切り死体ではなく、顔を包帯でぐるぐる巻きにした男ふたり。郷愁感に溢れる筆致の元、ふたりの正体は目まぐるしく入れ替わる。どちらが本者でどちらが偽者なのか。しかしラスト、物語は実にアクロバティックにジャンプし、想像だにしなかったポイントに着地するのだ。憎たらしいほど巧い、と言って差し支えないだろう。実に充実したミステリを読んでしまった……。

[][]837 17:26 837 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 837 - 雲上読記 837 - 雲上読記 のブックマークコメント

 作中で描かれているエロシーンの幾つかは陵辱や鬼畜とは別の領域、イジメに近い。主人公は少女で、エロいイジメを同級生の女子から受けつつ、片想いの相手のために処女を守ろうとするのだが、うーん、これは……。正直、とても上手い。心情描写が上手い故に、主人公に感情移入してしまい、その結果、イジメられる自分自身を読んでいるような気分になるので、とても苦しい。けっしてつまらなかったわけではないが、残念ながら楽しめなかった。

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