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2006-02-03

[][]821 00:04 821 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 821 - 雲上読記 821 - 雲上読記 のブックマークコメント

予告探偵―西郷家の謎 (C・NOVELS)

予告探偵―西郷家の謎 (C・NOVELS)

 秋山大爆笑。

 様々な方が本書について語るとき言葉を濁しているときに気づいた。まさか地雷なのではないか、と。もしそうならば、この秋山こそが読まなくてはならないだろう、と何故かそう思った。

 読了間際、明かされたあまりにもくだらないトリックに思わず噴出してしまった。最高である。一本取られたと言うか、一本取られたけどこれっぽっちも悔しくないと言うか。この手のバカミスは秋山が先に書きたかったと、むしろそういう意味で悔しい。あー、それにしても面白かった。笑った笑った。え、本編に関して? ううん、いいんじゃない!

[][]822 11:24 822 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 822 - 雲上読記 822 - 雲上読記 のブックマークコメント

ほうかご探偵隊 (ミステリーランド)

ほうかご探偵隊 (ミステリーランド)

 面白かった。ミステリーランドの中では数少ない真っ当にミステリしていて、子ども向けに書かれている、骨のあるしっかりとした作品だった。冒険物ではなく探偵物であるのも好印象。伏線やトリックがきれいに機能していて、大人はもちろん子どもでもかなり満足のゆく作品。格別、いい話、という訳でもないので積極的に子どもに読ませたいわけではないけれど、完成度や満足度で言えば読ませたいなと思う。

 倉知淳を追っているファンへのサービスも、「巧いなあ、憎いなあ」という程度にあって、ファンなら必読だろう。

[][][]823 18:38 823 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 823 - 雲上読記 823 - 雲上読記 のブックマークコメント

光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

 最高に面白かった。

 常野と呼ばれる人の姿をしていながら人ならざる力を持った一族をめぐる連作掌編集。常野という土地から来たから常野と言うのか、それとも「常に在野にあれ」という意味をこめて常野を名乗っているのか、それは明確ではないが、この不思議な一族は、一様に慎み深く穏やかで、読んでいて実に心地よい。収録されている十の掌編は、いずれも未完成で大河小説並の長さを誇る長編小説の一部を抜粋したかのよう……と言えば悪くないが、実際は断片的すぎて話にならない。設定を積み込みすぎで、常野というキーワードがなければとてもじゃないが一冊の本にまとめることは出来なかっただろう。と言うか、常野というキーワードで一冊にまとめているけれど、ちょっとこれはいかがなものかという気がしないでもない。それでも何故、本書が傑作かと言うと。

 本書が、萩尾望都ポーの一族』を彷彿とさせるからだ。

 社会の中に埋もれるように暮らそうとする常野一族。しかしその異能ゆえ、どうしても浮き彫りになってしまい、ときに人に狩られ、ときに人から逃げだし。それでもひっそりと生きながらえようとする。その生き方が実に素晴らしいのだ。『ベルカ、吠えないのか?』風に表現するならば「常野よ、常野よ。お前はどこにいる?」。

[][]824 22:04 824 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 824 - 雲上読記 824 - 雲上読記 のブックマークコメント

蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)

蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)

『光の帝国』に続く常野シリーズの第二作。読み始めてびっくり。まさか戦前の話だとは思わなかった。と言うか、うっかり三作目の『エンド・ゲーム』と内容を勘違いしていて、いつ話が現代に飛ぶのかと待ち構えてしまった。さらに常野一族の物語かと思いきや、常野一族は物語に彩りを与えている存在以上の価値はなく、むしろ桜庭一樹が書く小説のように、主人公と聡子というふたりの少女を巡る小説のように思われた。そういった訳で、とにかく意表を突かれた。

 話自体は及第点を越えるほどに面白かった。常野一族が読みたかった秋山としては、不満がないでもないが、やはりただの小説としてみれば十二分に面白いと言えるだろう。

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