雲上読記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006-01-27

[][]810 12:10 810 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 810 - 雲上読記 810 - 雲上読記 のブックマークコメント

変身 (講談社文庫)

変身 (講談社文庫)

 物足りない。ある温厚な青年が脳移植手術を行ったが、術後、徐々に自分の性格が変化してゆくのを自覚し、何とかして元の自分を留めようとしたり、本当のドナー(提供主)を探そうとしたりする。と、実に真っ当に物語が進んでしまうのだ。最後にミステリ的な仕掛けや叙述トリックがあるわけでもなく、実に真摯に取り組まれてしまっている。でも、だとすれば、これは物足りない。

 中盤までは楽しく読めた。無気力な日々を送っていた主人公は、ある日、唐突に活動的になってしまうのだ。仮に秋山の脳が誰かに移植されたら、その人は自分の身に溢れかえるあまりのバイタリティに困惑することだろう。そんなことを楽しく夢想しながら読み進めた。しかし、そこから徐々にサスペンスタッチに移っていって、後はもう予想通りなのだ。結末が、ただの感動物やサスペンス物に落ち着いてしまっていないのはさすがに見事だが、森博嗣柄刀一だったら、もっと洗練されているのだろうなあと思ってしまった。まあ、最後はやっぱり泣きそうになったが。

[][]811 23:26 811 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 811 - 雲上読記 811 - 雲上読記 のブックマークコメント

狂乱家族日記壱さつめ (ファミ通文庫)

狂乱家族日記壱さつめ (ファミ通文庫)

 事前にイメージしていたものと違っていてやや驚いた。てっきり「戯言遣い・ミーツ・ツンデレネコミミ娘」だと思っていたのだ。世にも奇妙な人種が揃っている家族と知り合いになってしまった主人公の、傍から見ている分には面白いが、絶対に直接の知り合いにはなりたくない、とでも言うか。まあ、そういったドタバタを描いたものだと思っていた。が、実際は……と書こうとして、上の予測と実際のところは、そう離れてもいないことに気がついた。誤差の範囲内と言ったところか。唯一の違いは、主人公が乱崎凰火でなく、表紙に描かれているネコミミの乱崎凶華であることぐらいだろう。本書が刊行された当初は、奇抜な見た目に期待を抱いたが、本書に至るまでに読んだ別のシリーズで力量が分かってしまい、わりと砕けた姿勢で読んだのだが、思っていたよりかは楽しむことができた。やはり、それなりにパワーはある。下手ではない。

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