雲上読記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-12-14

[][]778 00:07 778 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 778 - 雲上読記 778 - 雲上読記 のブックマークコメント

インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫)

インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫)

 五年前に親がくれて、そのままずっと積んでしまっていた。阿部和重芥川賞を受賞した折に読もうとしたのだが、どうしてか手につかなかった。さすがにそろそろこの本を読まないと、読書系を名乗れないので気合いを入れて読んだ。五年前にも一度、読んだ序盤はやはり「ああ、あのときも暫らくはこういう文体から離れようと思って投げたんだった」と思わせたが、しかし中盤から面白くなってきて、不思議な魅力に抱き締められたように最後まで読んでしまった。とりあえず、阿部和重は、もう数冊ほど読む必要性を感じた。

 東浩紀が解説を書いていることに驚いた。もし五年前にこの本を最後まで読んでいたら、秋山の読書遍歴はもう少し違ったものを辿っていたかもしれない。

[][]779 18:24 779 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 779 - 雲上読記 779 - 雲上読記 のブックマークコメント

Under the Rose (1) 冬の物語 バースコミックスデラックス

Under the Rose (1) 冬の物語 バースコミックスデラックス

 何なのだ、この不信感は。立ち込める精神の暗雲と、偽りの木漏れ日は。

――落ち着こう。自分自身にそう言い聞かせなければならないほどに、精神を喰らう暗鬱を読んでしまった。この作品を説明するのは難しい。ある貴族の妾が死に、その息子とされている主人公が貴族の館に住むところから幕が上がるのだが、彼は一族に敵愾心を剥きだしにして、母親の死を真相を探る。ミステリ仕立ての冒険小説と言えるだろう。しかし、本書の見所はそんなところではなく、明かされてゆく真実と至る結末がどれもこれも気分が滅入るような代物で、そこに辿りつくまでの冒険も剣呑したものばかりだということだ。一巻を読み終えたところで表紙を見て、思わず溜息をついてしまった。報われない。

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