雲上読記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-10-19

[][][]722 19:38 722 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 722 - 雲上読記 722 - 雲上読記 のブックマークコメント

幽霊たち (新潮文庫)

幽霊たち (新潮文庫)

「探偵ブルーが、ホワイトから依頼された、奇妙な、ブラックという男の見張り……」帯に書かれているこの文章が、本書の物語を端的に表している。佐藤友哉の『クリスマステロル』を連想しながら読み進めたのだが、とにかくリーダビリティが高いのだ。変化に乏しい、冗長とも言える展開なのだけれど、読んでいる最中は、不思議と読ませるのだ。次に起こる出来事が見えるようで見えない、奇妙な安定感を覚えた。軽妙な筆致は読んでいて心地よく、いつまでも浸かっていたい幻想のよう。ただ、抱きしめて眠りたい。

……と、こんな詩的な表現を許してしまう、趣きがあった。

[][][]723 19:52 723 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 723 - 雲上読記 723 - 雲上読記 のブックマークコメント

駿河城御前試合 (徳間文庫)

駿河城御前試合 (徳間文庫)

 山口貴由シグルイ』の原作が、新装版となって復刊された。山口貴由による漫画の方は今のところ四巻まで刊行されているが、まだまだ終わりが見えておらず、原作を読んで結末を知ってしまうことには一抹の不安を覚えた。……が!

 読み始めて驚いた。漫画版において主題とされている、藤木源之助と伊良子清玄の対決は、550ページ近い原作においては36ページ分でしかないのだ。つまり、漫画版の大半は、恐らくは山口貴由の創作なのだ。それだけではない、駿河大納言忠長の御前で行われた十一番の真剣試合は、いずれも凄惨を極めているのだ。長き時の流れの果てに交錯する因縁の決着レベルの死合が十一回も行われているのだ! その濃密さ、その残酷さに戦慄を禁じえない。作中において飛び散った血のにおいが、紙面から香り立つのさえ感じた。

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