雲上読記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-10-04

[][]711 05:12 711 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 711 - 雲上読記 711 - 雲上読記 のブックマークコメント

本格的―死人と狂人たち (ミステリー・リーグ)

本格的―死人と狂人たち (ミステリー・リーグ)

 これ、すっげー面白いわ。

「変態」「擬態」「形態」と舞台は共有しつつも、基本的には脇役である警察を除いて登場人物も事件も交錯しない短編連作。特筆すべきは、第一講と銘打たれている「変態」。これは最高。異常な興奮状態に陥ると天才科学者に変態する助教授が、教え子の性行為を覗くというフィールドワークを行っていたところ殺人事件が発生するのだが、性交渉も殺人事件も何もかもを数学的に解決しようとする姿勢が失笑と苦笑を誘う。舞城王太郎による奈津川四郎や九十九十九をも凌ぐ、迷怪な推理を披露し、しかもそれが的中してしまうのだ! こんなおかしすぎる主人公、他にいない。こんな主人公を描けてしまう作者は、何処か頭のネジが緩んでいるのではないだろうか。

「変態」があまりに面白かったのに対し、「擬態」と「形態」はどこか垢抜けず、無難な印象を受けてしまった。勿論、「変態」のインパクトがなければ、残りの二つも十二分に異常で面白い作品なのだが。

[][]712 23:44 712 - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 712 - 雲上読記 712 - 雲上読記 のブックマークコメント

ツ、イ、ラ、ク

ツ、イ、ラ、ク

 前振り長すぎ、中弛みしすぎ、エピローグ長すぎ。結局、作者は何を言いたかったのだろうか。

 id:seiitiさんが絶賛していたので、いつか読まねばならぬまいと思いつつ原稿用紙950枚という分量に手が出せず、ついに読んでみたのだが全く面白くなかった。中盤まで主人公だけでなく、他の登場人物にもかなりの分量を割いて語っているので、物語の軸というが骨子となるものが中々、見えてこなかった。主人公とその恋の行方が見えてきたかと思うと、即座に収束してしまい、エピローグに入ってしまう。その間も、主人公もその恋人も、その他の登場人物も全員が等価に描かれているから、個々の印象が非常に薄い。あるいはこの小説に主人公なる人物は存在せず、かつて同じ小学校で幼少時代を過ごした全員が主人公ということなのだろうか。どちらにせよ非常に退屈だった。

 また、作中に度々、作者が顔を覗かせるのも気に障った。フェミニズムに関する言説を展開させたければ作中の登場人物に口を開かせるか、エッセイを書くべきである。言いたいことは分かるが、地の分に独り言を書いてしまうなんてやってはいけないことの最たるものだ。酷すぎ。

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