雲上読記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-05-22611-612

[][][]九マイルは遠すぎる 九マイルは遠すぎる - 雲上読記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 九マイルは遠すぎる - 雲上読記 九マイルは遠すぎる - 雲上読記 のブックマークコメント

「九マイルもの道を歩くのは容易じゃない、まして雨の中となるとなおさらだ」

 紛うことなき本格推理小説八篇からなる、短編集。二作目を読んだ時点で「今まで勘違いしていて誠に申し訳ございませんでした」と頭を下げたくなった。これが本格の真髄か、これが安楽椅子探偵の本領か。あるいは今まで秋山が読んでいたのは紛い物か、贋作だったのかもしれない。安楽椅子探偵を机上の空論を繰り広げる妄想家で、懐古主義のミステリ読みが妄信しているものだと思っていた。強く戒めなければならない。知らないということは、まさに罪である。今まで誤解していただけでなく、心のどこかで馬鹿にしていたことを強く諌めたいと思う。

 さて、本書は凄まじい。冴え渡る推理に、積み重ねられる推論から導き出される、常人には到底、及ばないだろうという思う論理の高峰。確かに、これを読んでしまったら、名探偵なるものを信奉せずにはいられないだろう。素晴らしかった、素晴らしかった。

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鈴木いづみコレクション〈1〉 長編小説 ハートに火をつけて! だれが消す

鈴木いづみコレクション〈1〉 長編小説 ハートに火をつけて! だれが消す

 SFセミナーを経て、興味を持ったので読んでみました。

 読み終えてから、帯に「自伝的長編小説」という文字を読んで身震いした。何故なら読んでいる間中、この作品が肉声を持って語りかけてくるような気がしたからだ。ネットで偶然、知り合った人の小説を模した日記を読んでいるような気がしたからだ。淡々と綴られる日常。特に結末のあたりは酷かった。交じり合う現実と虚構、読んでいるこちらが酩酊感を感じるような夢現に、鈴木いづみは一体、何を見たのだろうか。いや、これは強烈だ。

 小説としても面白かった。俗な表現が多いのだけれど、官能的ではないし、普通は漢字にするべきところがひらがなになっていても、驚異的に読みづらくないし。人が読む文章を書くことを、先天的に持っているのではないかと思う。素晴らしい。

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