雲上読記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2004-10-01455-482

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D‐ブリッジ・テープ

D‐ブリッジ・テープ

 これは……面白いのか?

 断片的な科白に稚拙な言葉、下半分を切り取ればメモ用紙として使えてしまうぐらい多い改行。最後がもう少し明るければ、ひょっとしたら世間受けしてベストセラーになっていたかもしれない。そういう本の一種である。どうして読んだのかと言えば、キセンさんと町田ブックオフを見て回っていたときに「これ読みやすくて面白いですよ」と手渡されたのである。確かに読みやすかった。ページ数にして150強、さらに猛烈な改行。一時間かそこらで読了しただろう、しかし面白かったかどうかとなると首を捻るところだ。

 確かに結末に感動はあった。けれどそれは涙が溢れたり、思わず愕然となるようなものではなく、『DeepLove』を読んだときに感じたものに近く、言ってみれば安っぽかったのだ。解説にて高橋克彦が絶賛していたことに大きく驚いた。通常、宣伝のために絶賛と言っても、それは本当に絶賛しているわけではないのだが、この解説において高橋克彦は本当に絶賛しているように見える。「もし私がこの作品と十五、六歳の頃に出会っていたとしたらどうだったろうか。恐らく作者の沙藤一樹君を神の一人として認識したに違いない」とあるが到底、信じられない。74年生まれで、23歳のときに受賞した本書がそこまで誉められるものなのか、自分には信じられない。

 しかし、まあ、前述の通りもう少し明るければベストセラーの可能性もなきにしもあらずだったので、そういう感動を求めている人にはお勧めかもしれない。

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