雲上読記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2004-10-01455-482

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 京極夏彦島田荘司森博嗣といった講談社ノベルス三大売れ筋(と言えなくもない)作家による読み切り小説が掲載された号。発売直前だった奈須きのこ『空の境界』の「1/俯瞰風景」が丸々、収録されている。新本格を代表する人間のひとり、故辰巳四郎氏を追悼し、遍歴・紹介・作品、そして綾辻行人有栖川有栖京極夏彦森博嗣高田崇史による言葉などで特集が組まれている。自分はこの特集のためにこの号を買ったのだが、やはり何度見ても、綾辻行人迷路館の殺人』ノベルス版の表紙と、森博嗣作品の表紙は素晴らしい。傑作である。

森博嗣「刀之津診療所の怪」『Φは壊れたね』から始まる山吹早月・加賀谷恵美・海月及介の三人が活躍するQシリーズの短編。日常の謎に挑戦したのかどうかは分からないが、極めて小振りな謎に挑戦し、無難な解答が得られるというかたち。はっきり言ってあまり面白くなかった。謎が謎であることの説明も今ひとつだったし、答えが与えられたときも「あっさりしてるなあ」と淡々に思った。が、最後の一行を読んで評価逆転。最後の五文字を読んで、思わず立ち上がってしまったぐらいだ。もう本当、予想もつかないところで森博嗣はファンサービスをやってくれる、嬉しい、実に嬉しい。森博嗣作品を全部読んでいるようなファン(例えば自分)は必読だ。

高田崇史「桜三月三本道」千葉千波くんシリーズ。あるおじさんに証言を求めるのだが、そのおじさんは「三回に一回、本当を言う」か「四回に一回、本当を言う」か「三回に一回、嘘を吐く」らしく、はっきり言って当てにならない。しかしそこはそこ、千葉千波くんが己の頭脳の限りを尽くしておじさんの証言の何が本当で何が嘘かを見抜こうとするという趣旨。何回かに一回、本当を言う、というネタは以前もあったのでそのバージョンアップ版だろう。まあ、普通に楽しめた。

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